スワップサヤ取りはFXで金利差を狙う手法です。サヤ取りとは、同じ金融商品で買いと売りの両方を保有する「両建て」を行い、利益を狙います。
別名、アビートラージ(アビトラ)、裁定取引、ペアトレードなどとも呼ばれています。
両建てを行う理由は、為替変動によるリスクを限りなく無くすためです。

サヤ取り?ややこしそうだな・・
為替変動を無くすのに、どうやって稼ぐんだろう?
このような疑問に対して、スワップサヤ取りで資産運用する方法を解説します。
目次
代表的な高金利通貨 FXスワップサヤ取り(アービトラージ)
FXスワップサヤ取りは、スワップと言う金利差を得る運用ですので、高金利通貨が有利になります。
高金利通貨といえば以下の3つが代表的ですね。
<代表的な高金利通貨>
トルコリラ (政策金利 約20%)
メキシコペソ(政策金利 約8%)
南アフリカランド (政策金利 約6%)
しかし、高金利通貨は長期的に見るとレートは下落する傾向にあります。
それぞれの通貨の過去レートを見ていきましょう!
【トルコリラ】過去10年の価格推移
最も金利が高いトルコリラですが、長期的に見れば明らかな下落傾向です。
【メキシコペソ】過去10年の価格推移
次に高いメキシコペソは、2016年以降3年間ほどレンジ相場になりましたが、コロナショックで下落しその後上昇しています。
しかし、大きく見ると歴史的には緩やかな下落傾向になります。
【南アフリカランド】過去10年の価格推移
コロナショック以降は上昇していますが、歴史的には下落傾向です。
今後、社会情勢や政策金利でレートは変動するのでどのように未来が動くかは誰にもわかりません。
代表的な3つの高金利通貨はどれも歴史的には下落傾向にあり、長期的には買いポジションだけだと損失となる可能性が高いです。
そのため、FXスワップサヤ取り(アービトラージ)での運用が有効となってきます。
FXスワップサヤ取り 3つのポイント
「FXスワップサヤ取り」のポイントは以下の3つです。
①同じ通貨を同じ数で両建て
FXスワップサヤ取りは、買いと売りのポジションを同数保有して両建てを行い、為替変動の影響を受けずにスワップ金利を得る運用です。
そのため同じ通貨を同じ数で両建てする必要があります。
為替変動の影響を受けないというのは、例えば、100円の時に買いポジションと売りポジションを保有したとします。
90円までレートが下がったとすると、買いポジションは10円の損失になりますが、売りポジションは、10円の収益となります。
ポイント
ここで売りに関して、?マークが出る方がいるので、このように解釈して下さい。
100で売ったものを90円で買い戻す!
?マークとれたでしょうか?
従って、プラスマイナスゼロとなり、為替変動リスクが無くなります。
為替変動による損益や情報収集に費やす時間が減りストレスフリーの世界になります。
このように両建てによって為替変動の損益を相殺しても、各口座のスワップ金利には違いがあります。
例えばトルコリラにおいて、以下のようなスワップ(金利)がもらえる口座があったとします。
トルコリラ | A口座 | B口座 | C口座 |
買いスワップ | 100円 | 90円 | 80円 |
売りスワップ | -100円 | -90円 | -100円 |
A口座で両建てを行えば、0円のスワップで意味がありません。
B口座で両建てを行えば、0円のスワップで意味がありません。
C口座で両建てを行えば、-20円のスワップで損失があります。
しかし、A口座で買いポジションを持ち、B口座で売りポジションを持つと+10円の利益があります。
これが、FXスワップサヤ取りで利益を得る仕組みです。
そのまま買いポジションを持つよりは随分とスワップ益が減りますが、為替変動のリスクはほぼありません。
この保有数をどんどん増やして、1日10,000円のスワップ益が出せるようになると、スワップ金利での生活も視野に入りますね!
※FXスワップサヤ取りには2つ以上の口座が必要です。口座開設は無料です。
私が3年間運用した経験では、スワップが有利になりやすい常連の口座があります。
それは、トレーダース証券のみんなのFXとセントラル短資FXです。
メリット
✅為替変動によるリスクがほぼない。
✅トレードへのストレスがなくなる。
デメリット
☑️為替変動による収益がない。
☑️両建てなので双方の資金が必要である。
☑️スプレッド損失の影響が大きい。(黒字化までに日数を要する。)
☑️フラッシュクラッシュには注意が必要。
メリットとデメリットについては、別記事で深掘りします。
②口座間の資金移動が必要
ある程度の日数が経つと、スワップのプラスとマイナスが両方とも増えていきます。
さらに、為替変動による損益も徐々に偏っていきます。
A口座とB口座は、口座の損益が必ずどちらかがプラスでマイナスとなります。
マイナスの口座がロスカットになる前に、プラスの口座から マイナスの口座へ資金移動をします。
このように資金移動を行いバランスを取っても、またそのうちどちらかに損益が傾きます。
FXスワップサヤ取りは、大変動時でも強制ロスカットにならないように証拠金維持率(実行レバレッジ)を調整しながら運用します。
資金の移動方法は、通常は入出金処理を行いますが、数日の期間を要するため、急な相場の変動に対応しにくくなります。
おすすめは、振替機能です。
振替であれば資金移動は即時です。手数料もかからないので、気軽に口座間の維持率の調整ができます。
ただし、振替は同じ業者の口座間でしか行えません。
③複利効果が期待できる
複利は天才物理学者アインシュタインが「人類最大の発明」と評した程の大きな効果です。
年利5%・10%・20%を続けた場合の参考です。
このように、年利や期間が増えるとその差はかなり大きく開いていきます。
年利20%というのはさすがに厳しいですが、参考程度に載せました。
投資の世界における複利とは、得られた利益を再投資することで利益が膨らむ事です。
FXスワップサヤ取りの場合、得られたスワップでさらにポジションを増やせば、さらに収益が上がっていきます。
このような特性から、貯蓄感覚でポジションを増やしていくのが理想的な運用となります。
【まとめ】FXスワップサヤ取り(アービトラージ)で稼ぐ方法
・高金利通貨で運用を行う
・同じ通貨を同じ数量で両建てする
・たまに口座間の資金移動が必要になる
・貯蓄感覚なのに複利効果が期待できる
以上を踏まえた上で、無理のない程度の良いレバレッジで運用し、可能な限り高い年利を狙っていきます。
レバレッジや証拠金維持率については、FXの適正な証拠金維持率(実効レバレッジ)【トルコリラサヤ取り編】をご覧ください。
FXスワップサヤ取りでは、ほぼ自動で金利収入が得られるので他のトライに時間を費やせ、人生が豊かになります。
特にサラリーマン投資家は時間に捉われないので、本業で社会貢献をしながら、給与所得とサヤ取りとダブルゲインが得られるのも良い点です。
というわけで今回は以上です。