【はじめに】沈黙のWebライティングとは
※本記事の画像は、沈黙のWebライティングのウェブサイトhttps://www.cpi.ad.jp/bourne-writing/より引用しています
沈黙のWebライティングは、有名ブロガーからよくオススメされている書籍です。
厚み3cmの分厚い本の中に、ブロガーが必見の知識が凝縮されていますが、活字が詰まりまくっていないので読みやすい本です。
LINEの会話を眺めるように、スラスラと読めるマンガ形式です。
沈黙のWebライティングは、PC・スマホで閲覧できる無料版があります。サラッと読んでみて、書籍を購入したくなってから、実際の購入に踏みきると良いでしょう!
『沈黙のWebライティング』 無料版サイト
無料版の特徴
- 再現性が高い
- カラーページが多い
- リンクを直接クリックできる
- どこに何が書いてあったか探しにくい
- ヴェロニカ先生の特別講義ページがない
ストーリー部分は本書と同等の内容を再現しており、PC・スマホで閲覧するため、直接リンクをクリックすることができます。電子書籍専用アプリではなくウェブページなので、付箋機能等がなく検索はしにくいです。
各エピソード毎に挿入される解説部分のヴェロニカ先生の特別講義が重要ですが、無料版にはありません。
【あらすじ】沈黙のWebライティング
沈黙のWebライティングは7つのエピソードに分かれています。
エピソード01 は、SEOを意識したライティングの重要性を取り上げる内容になっています。SEOキーワードだけを重視してしまうブロガー初心者が、特に理解すべき内容です。
エピソード01 SEOライティングの鼓動
先代の両親を亡くし、栃木の温泉旅館「みやび屋」を任された宮本サツキは、来客の減少に困っていた。そこに、サツキの弟である宮本ムツミが突如帰郷し、「みやび屋」のホームページを担当する事になる。多少のSEO知識があったムツミは、ホームページの改善を行なったが、謎の探し物をする宿泊客 ボーン・片桐とヴェロニカにホームページの危うさを指摘される。ムツミは悔しさを感じながらも、ボーンとヴェロニカが言うSEOを意識したライティングの重要性を理解し、ホームページの修正を行った。その2週間後、「栃木 温泉」のキーワードで、検索順位10位の上位表示をさせることに成功した。
エピソード02 は、競合との違いを明確にするUSPを伝えることの重要性を取り上げる内容になっています。
エピソード02 解き放たれたUSP
ホームページを検索上位で表示させるだけでは、予約の件数を増やす事ができなかったみやび屋。たまたま湯上りで会ったヴェロニカにそのことを打ち明けると、USPの存在を知っているのか問われる。再び、ボーンのアドバイスを受ける事になった2人だが、やはりUSPが伝え切れていない事を指摘される。その夜、懸命に2人が考えた結果、打ち出されたUSPは、「若者が親孝行をするための宿」という内容であった。これには、託されたみやび屋の運営によって親孝行をしたいというサツキとムツミの想いが込められており、他社には真似ができない物であった。さらに独自宿泊プランの項目をコンテンツに追加し、選択のパラドックスを回避させる事に成功したが、今度は、エモーショナルな文章が足りないとボーンに指摘される。
エピソード03 は、ユーザーの視覚的な直感と脳で考える論理を追求し、見やすくかつ分かりやすいライティングをする重要性を教える内容になっています。
エピソード03 リライトと推敲の狭間に
エモーショナルな文章が足りない事を指摘したボーンは、自ら音声入力でリライトを行った。その際のポイントを、サツキとムツミに説明していく。相手の感情を自分事として感じること。話者の宣言をして感情に紐づかせること。文章を読んでもらうための重要な3つのこと。ダニエル・カーネマンが提唱するの2つの脳の思考システム(直感と論理であるファースト&スロー)に基づいて、直感的で見やすく論理的な文章を書くことであった。ボーンがリライトしたホームページにより、予約件数が増えたみやび屋であったが、近所の馴染み旅館である三桜館の倒産を知らされる。三桜館以外にも近隣旅館の倒産が相次いでおり、これにはタパホテルを新規経営するヤン・タオによる須原地域全体をつぶすという野望が背景にあった。
推敲(すいこう)とは、詩や文章をよくしようと何度も考え、作り直して、苦心すること。
エピソード04 は、コンテンツの幅を広げることの重要性とその手法を取り上げる内容になっています。
エピソード04 愛と論理のオウンドメディア
ムツミは、ミュージシャンの頃を思い出していた。自分の感性のままに曲を作ってしまい、ファンの心が離れていくが、プロデューサーの助言に耳を傾けずにレーベルを去ってしまった過去。その助言とは、「ファンが求めているものを論理的に考え、土台作りをするべきだ」というものであった。
今日は、「オウンドメディア」の解説を行ってくれる日だ。ボーンからのコンサル料を支払わずにアドバイスをもらい続ける事を気にしたサツキだが、コンサル料は不要だとキッパリ言われる。その代わりに、この近くに落ちている謎のチップを探して欲しいという交換条件であった。オウンドメディアとは、自社が所有し運営するメディアのこと。須原を蘇らせる観光サイトを自分たちで運営することを提案された2人であったが、やはり上位表示には、論理的思考の繰り返しが必要だと教わる。過去を思い出し、論理ではなく作者の感情を込めることが重要だと意見するムツミ。それも一理あるが「相手の心の中に感情の受け入れ先を探す」そのためには愛情をもつこと、すなわち「相手の事を考え抜いた論理的思考で、土台作りをするべき」だとボーンに助言される。またしても論理的思考を助言されて、今度は納得したムツミ。「オウンドメディアの記事のアイデアを3日以内に考える」という課題に、サツキとムツミは立ち向かうのであった。
エピソード05 は、オウンドメディアの具体的な立ち上げ方を取り上げる内容になっています。
エピソード05 秩序なき引用、失われたオマージュ
3日後・・2人はアイデアを発表する。ムツミは、他サイトから美しい写真を引用し、視覚的効果を狙いながら、全国の温泉旅館をまとめるという記事。サツキは、須原の旅館で働く人に話を聞いて、他の具体的な温泉地をオススメするという記事。2人のアイデアを聞いたボーンとヴェロニカは、サツキのアイデアには他者への愛があると判断し、記事のアイデアが決まる。サイト全体のプランニングを行うため、ボーンは助っ人である高橋(前案件で経験を積んでいる)を呼んでいた。高橋は、既に「オウンドメディアの立ち上げに必要な7つのステップ」を「みやび旅」というタイトルで準備しており、ボーンに指揮を任される。
「今思い出したんですが・・」サツキはふと打ち明ける。記事のアイデアを考えている最中、「TRAVEL UP」という大手キュレーションサイトに、須原の情報が全くない事に気づいたとのこと。サイト運営会社を調べると、因縁の遠藤が代表者である事が判明し、裏でヤン・タオが絡んでいることを確信する。
オウンドメディアの方は、記事ライターの手配を残していたが、こちらも既に高橋が有力候補を準備しており、自信満々で「バズボンバー」を尋ねるのであった。
エピソード06 は、記事の取材の仕方のコツを取り上げる内容になっています。
エピソード06 嵐を呼ぶインタビュー
バズボンバーに「みやび旅」のインタビュー記事を依頼するも、あっさりと断られてしまう高橋。仕方なく次の候補であるサーロイン杉本に松戸屋の取材を引き受けてもらう。しかし、サーロイン杉本は取材向けのライターではなかったため、原稿は大失敗に終わる。選択ミスをした高橋に見兼ねたボーンは、急遽ヴェロニカに松戸屋の取材を依頼する。取材のコツを知っているヴェロニカは、3日後ハイレベルな記事を完成させ、「みやび旅」の華々しい第一歩を飾った。さらにその10日後・・上位表示される「みやび旅」がみやび屋のドメインであることに気付いた遠藤達は悔しさに声を震わせる。
バズボンバーに一度依頼を断られたが、その可能性を解放した方が良いと考えたボーンは、再度、高橋を依頼に向かわせる。過去にバズボンバーと絡んだことのある高橋は、誰かが思い付くような企画で縛れる人たちじゃないという事に気付き、「須原を救う、とびっきりのコンテンツをよろしくお願いします!」と気持ちを込める。この言葉に、賛同したバズボンバーは、ぶっ飛んだ記事を作成することを引き受ける。
一方、ヤン・タオは、ヴェロニカと共に行動する男であるボーンを消すように、12号と称する者に依頼する。
エピソード07 は、バズらせる記事のポイントを取り上げる内容になっています。
エピソード07 今、全てを沈黙させる・・・!!
バズボンバーが作成した記事「なぜ某キュレーションサイトには須原の記事がひとつもないのか?その理由を徹底的に調べてみた」に激怒するヤン・タオ。この記事は、ヤン・タオ グループが須原に嫌がらせをしていることをネタにしており、バズらせるポイントがしっかりと組み込まれていたのだ。これを阻止できなかった遠藤達をクビにしてしまう。オウンドメディアを通して、一気に好転するみやび屋と須原地域。しかし、謎のチップは見つかっておらず、ヴェロニカと2人で捜索をすることになったムツミに対して、銃声が鳴り響く!ボーンにもらった鋼鉄のキーボードで難を逃れたが、ヴェロニカが怪我をしてしまう。頭にきたボーンは、ヤン・タオ グループに直接殴り込みに行く。ボーンに1人に対し、たくさんの刺客が襲いかかるが、あっさりと一掃してしまう。しかし、12号だけはそうもいかなかった。「推敲、校閲」「フィードバックループ!」最後には、ボーンの技が上回った!これまでの汚い会話も全て録音されてしまい、後がなくなったヤン・タオは、嫌がらせを諦めるだけでなく、逆に須原をPRするという条件を飲まざるをえなかった。オウンドメディアの活動を通して、サツキ達の愛のある活動に気づいた近隣旅館は、運営の復帰に踏み切り、サイトを盛り上げることに協力し、須原の事態は好転する。しかし、チップはまだ見つからない。
ふと、ギターを取り出して演奏を始めるムツミ。これを弾いたら、完全に音楽を離れることにしようと最後の演奏を始める。すると、見つかっていなかったチップの信号が増幅する。そう、チップはムツミが持っている楽器の中に含まれていたのだ!「言葉の力を過信するな」最後に残したボーンの言葉を忘れず、サイト運用以外に自分にできる作曲。須原のために作曲を続けるムツミであった。
最後、10ページほどのエピローグでチップの謎が解けます。本書にてお楽しみください!
【ポイント】沈黙のWebライティング
各エピソードのキーワードや覚えておいた方がいいポイントをまとめておきます。
エピソード01 のポイント
SEOを意識したライティングの重要性
- SEOキーワードを散りばめるだけではダメ
- インテント(検索意図)を意識する
- 検索上位10位までをマインドマッピングで分析する
- 自分ならどんな情報が欲しいか考える
- 3要素を意識 専門性 網羅性 信頼性
- 読者の手間を省いてあげるコンテンツ
エピソード02 のポイント
USPを伝える事の重要性
- USP(他にはない独自の強み)を伝える事
- まとめ記事は、ユーティリティ要素を意識した中立的な立場を意識する
- ユーザーに自分で納得して選んでもらう事を意識する
- USPを考える際に、弱みを強みに入れることも視野に入れておく
- 選択のパラドックスを回避させるために、USPを含んだ特化項目を作る事
⇨ 特に比較・まとめサイトでは、USPを訴求する事が重要。
エピソード03 のポイント
感情を宿す文章3つのポイント
- 感情表現を入れ、自分事化による共感を誘発する
- 伝えたい事がきちんち伝わるよう、見やすさ や わかりやすさ にこだわる
- ファーストビュー(冒頭文)で、伝えたいことをまとめる
⇨ 全体を見やすい構造にした上で、感情と論理を混ぜてエモーショナルな文章を表現する。
エピソード04 のポイント
オウンドメディアを作るために
- コンテンツマーケティングが無理なら、質を上げる ショートカットプラン
- 検索回数を意識する キーワードプランナー(ツール)
- 検索上位のサイトのインテント研究 論理的思考
⇨ キーワードの幅を広げて、ライティング前に論理的思考を追求すること。
エピソード05 のポイント
エピソード05 のポイント
- キュレーションサイトの良し悪し
- 論理思考は、なぜ?+どうなるか を考える
- 引用は相手への敬意が必要
- オウンドメディアの立ち上げに必要な7つのステップ
- PDCAを素早く回す
オウンドメディアの立ち上げに必要な7つのステップ
- コンセプトの決定(サイトの目的、記事内容、投稿頻度、集客方法、キャッチコピー、サイトタイトル)
- CMSの決定
- レンタルサーバーの決定
- サイトデザイン
- 記事のプランニング
- 記事の作成
- 解析ツールの導入&運用
エピソード06 のポイント
エピソード06 のポイント
- ライターには向き不向きがある
- 取材は準備と空気作りが大事
エピソード07 のポイント
バズボンバーの記事設計 3つのポイント
- 共感層の巻き込み
- 「客観性の担保」
- コミュニケーションにつながる演出
① キュレーションサイトをよく思っていない人たちの感情を沸き立たせ、SNSの拡散をしてもらっている。
② 自分だけでなく沢山の21人のクリエイターの意見を入れており、信用力を上げている。
③ マンガやキャラへのたとえ話、自分の結論を言わずに考えさせる終わり方、自分を小さく見せて読者を優位にする。
【ヴェロニカ先生の特別講義】沈黙のWebライティング
各エピソードの終わりには、ヴェロニカ先生の特別講義でまとめ解説があります。( ※無料版にはありません )
エピソード01 ヴェロニカ先生の特別講義より抜粋。
検索ユーザーにとっての利便性が高いコンテンツとは?
①検索ユーザーが今まさに抱えている「悩み」や「質問」に対して、「的確な答え」を返しているコンテンツ
②検索ユーザーが抱えると思われる「悩み」や「質問」を網羅的に取り上げ、「先回り」して答えを返しているコンテンツ
③他のサイトと同じ情報を扱っていても、どこよりも素早く答えがわかるコンテンツ
④他のサイトと同じ情報を扱っていても、どこよりも見やすい、わかりやすいコンテンツ
⑤他のサイトと同じ情報を扱っていても、どこよりも信頼できるコンテンツ
⑥どこよりも情報が新しいコンテンツ
(引用:沈黙のWebライティング P91)
エピソード01 のヴェロニカ先生の特別講義のまとめ
1. SEOを意識したコンテンツは「そのコンテンツ(情報)を求めている人を集客しやすい」「継続して露出することができる」という2つの利点がある。
2. Googleはユーザーの利便性を優先的に考えて、検索結果のアルゴリズムを調整している。
3. Googleはユーザーの利便性を最優先に考えて、検索結果のアルゴリズムを調整している。
4. 上位表示を狙うキーワードの「検索意図」を推測するためには、実際にGoogleでキーワード検索を行い、検索結果上位10位までのページを分析すれとよい。
5. ライティングより先に、キーワードの検索意図を推測し、その検索意図をカバーする情報を集めておく。
(引用:沈黙のWebライティング P96)
その他にエピソード01 では、以下3つが紹介されていました
⇨ Googleが無料で提供しているアクセス解析ツール
⇨ 個人履歴で調整された検索結果を表示しないためのモード
⇨ ユーザー視点での検索を重要とする基本理念
エピソード02 ヴェロニカ先生の特別講義より抜粋。
USPを決める際のポイント
① 競合に真似されにくい事
② 競合と同じステージで闘わずに済むこと
(引用:沈黙のWebライティング P161)
USPを決めるメリット
① 他社商品との比較ポイントが明確になり、顧客がその商品を選びやすくなる
② いろいろなWebサイトやブログで紹介されやすくなる
③ Webサイトのデザインの方向性や、コンテンツの方向性がブレなくなる
(引用:沈黙のWebライティング P162)
エピソード02 のヴェロニカ先生の特別講義のまとめ
1. 複数の選択肢の中から、その商品を選んでもらうには「USP」が必要
2. 「USP」をハッキリさせると、選ばれやすくなるだけでなく、いろいろなメディアで紹介されるようになる
3. 比較、まとめ系コンテンツが支持されるのは、ユーザーの「比較のコスト」を削減するユーティリティ(機能性)を有しているから
4. 比較系コンテンツを作る際は、「ユーティリティ要素(使いやすさ)」と「客観性」を大切にする
5. アフィリエイトサイトはその性質上、今のGoogleにおいて高い評価が得られやすい
(引用:沈黙のWebライティング P168)
このように、各エピソード末に特別講義が収録されていますが、ストーリーと切り分けて読んでもかなり内容が濃いです。
【感想】沈黙のWebライティング
初心者ブロガーは、重要だけど知らなかったな〜読んでおいて良かったと思える内容が多いと思います。特にエピソード3までは、ブロガー共通で肝に銘じておきたい事が書かれています。エピソード4以降は、個人ブロガーでも知っておいた方がいいかなというレベルの内容です。
ストーリー自体は、シリアスでもおふざけでもなく心地いい雰囲気です。ボーンの技のしつこさがちょっとウケます!是非ヒーローっぽく頭の中で唱えてみて下さい。スマホで無料版のストーリーをザックリ流し読みしておいて、本書で知識を学ぶと頭に入りやすいと思います。
無料版にはない、ヴェロニカ先生の特別公演は特に内容が濃く、読むのに時間がかかりますが、有益情報が多いです。
これからブログを頑張る人にとって、1度考えを整理できるいい機会に出会る書籍です。
というわけで今回は以上です。