FIREという言葉を聞いたことがありますか?炎ではなく早期リタイアを意味するFIREです。米国の若者に支持されている早期リタイアの概念ですが、日本でも通用するのか具体的な数字で考察していきます。
こんな疑問について一緒に考えていきましょう!
【日本で早期リタイアの鍵?】FIREとは
まずは、FIREという単語についておさらいしておきましょう!
FIRE : Financial Independence Retire Early
直訳 : 経済的に自立した早期退職
通称 : ファイア
FIREは若者でも目指すことができる早期リタイアの概念として米国を中心に脚光を浴びています。
早期リタイアについて
現代の日本では早期リタイアどころか再雇用があり、働く人の年齢はどんどん伸びていく傾向があります。医療が進歩したおかげもあるのですが、政府の年金対策という一面もあり、引退したくても70歳くらいまで働き続ける人も増加しそうです。
しかし、実際には経済的に大丈夫というのであれば、早期リタイアしたいという人も多いのではないでしょうか?
経済的に大丈夫とは何か?
よくもたれるイメージとしては、経済的に大丈夫というのは、相当の大金を手に入れた場合が想像されるのではないでしょうか?年齢にもよりますが余生を全うするとなれば、数千万円どころか数億円ぐらいイメージされるかもしれませんね。こんな金額は遺産だとか宝くじに当選した人など、極々一部の人間になってしまうでしょう。
しかし、このFIREという概念は、こんな大金を持ってする早期リタイアとは違います。
割と現実的な数字なので、普通のサラリーマンでも実現可能かもしれません。
【FIREにおける早期リタイア】
FIREにおける早期リタイアは、生活で必要な年額を25倍して、年利4%で資産運用をすれば、元本が減らないという理論です。
FIREで計算する必要額
年間支出額 × 25 = 早期リタイア必要額
日本での生活を推定した場合、月額20万円ほどは欲しいかと思われます。つまり年額に換算すると年間支出額は240万円ですね。
240 × 25 = 6000
計算に当てはめると、6,000万円です。
ん〜少し難しいと思うのは私だけでしょうか?
年利4%の根拠
ではなぜ年利4%なのでしょうか?
これは「4%ルール」なる米国の指標から来ています。米国株の成長が7%であり、米国の物価インフレ率が3%程度なので、差し引いて4%という考えだそうです。
ここでカンが良い人ならピンとくるかもしれません。
日本で暮らす私たちにとって、米国の物価は関係ありません。そう、日本のインフレ率はもっと低水準なんです。
【早期リタイア実現】日本のインフレ率でFIREを再計算
以下は日本のインフレ率の歴史です。
出典:IMF(IMF - World Economic Outlook Databases)
いかがでしょう?今後はなんともいえませんが過去の日本のインフレ率からして1%で見積もるとすれば、4%ルールの数字が変化することになります。
米国株に日本に住んでいても投資できるため、米国株の成長はそのまま7%で、日本の物価インフレ率を1%程度と見積もれば「6%ルール」となります。
先ほどの4%ルールの場合
元本100% ÷ 実支出4% = 25
だったので、年間支出額の25倍で計算しました。
今度は6%ルールで計算してみましょう!
元本100% ÷ 実支出6% = 16.7
年間支出240万円を16.7倍で計算するので・・
6%ルールでの必要額
240 × 16.7 = 4000
計算に当てはめると、4,000万円です。
少し現実的になったのではないでしょうか?
【FIRE再再計算】もっと物価の安い国で暮らす?
早期リタイアが実現したら、日本でずっと暮らす必要がなくなります。
物価の安い国で長期的に過ごすと年間支出額を下げることができますよね!
例えば、タイは物価が安くても治安も悪くないので、日本人がリタイア後に住みたい国にいつも上位ランクインしています。私もタイは大好きで、いつかタイを拠点に人生を送ってみたいと思っています。
タイで暮らす場合、よほどの贅沢をしなければ、月額5~10万円ほどで生きていけるようです。タイ国家統計局によるとタイ人の平均月収は94,311円なので納得いただけるかと思います。
だとすれば、年間支出額120万円なので6%ルールに当てはめると、2,000万円の元本で生活できることになります。
2,000万円であれば、気合を入れたら実現可能です!
しかも、この2,000万円という数字、どこかで聞いたことありませんか?
日本で年金をもらっても、生涯2,000万円足りないという話題があります。逆説で言えば、年金をもらえる年齢まで元本2,000万円で生活しておけば、以降は資産運用をしなくても生活できることになります。
【まとめ】日本でFIRE(早期リタイア)できるのか?
ここまででFIREの理論による早期リタイアについて解説させていただきました。
キーとなる数字
年間支出額 × 100 ÷(成長率 - インフレ率) = 早期リタイア必要額
・4%ルールでは年間支出額の25倍の元本が必要
・6%ルールでは年間支出額の16.7倍の元本が必要
・米国株の成長率7%
・米国のインフレ率3%
・日本のインフレ率1%
・日本での年間支出額240万円
・タイでの年間支出額120万円
→米国株に投資しタイで暮らすなら2,000万円
投資の所得税や医療費などの突発的な支出、また日本国内の年金掛け金などは考慮していません。色々と含めるともう少し厄介にはなるのですが、日本の事情におけるFIREも不可能ではないようですね!
今回、タイを例に海外での年間支出額を計算してみましたが、他にも治安が良くて物価が安い国の年間支出額や平均年収を当てはめても面白いかもしれません。
あなたもFIREで自由の翼を手に入れて見ませんか?
というわけで今回は以上です。