政策金利が引き上げられれば、その通貨が買われレートが上昇しそうだけど、実際にはどうなの?
このような疑問に向けて考えたいと思います。
本記事の内容
・金融政策と為替の一般的な関係が分かる
・各国の過去の相関を確認できる
・トルコリラの相関について知ることができる
特にトルコリラの今後の動向は気になるところですね!
金融政策と為替の一般的な関係
金融政策と為替の一般的な関係について、まずは知っておきましょう。
政策金利と為替レートには相関があると言われています。
金利が高い通貨の方が買われやすいからです。
例えば日本の金利が低く、他の通貨の金利が高い場合で考えると、日本の投資家は金利の高い通貨を求めることになります。
金利だけが要因ではありませんが、他の不安材料を抱えていないのであれば、有利な金利を求めた方が資産が増えるので金利の高い通貨の比率を上げることになります。
そのため、一般的には政策金利と為替レートには相関があり、政策金利が上がると為替レートも上昇します。
各国の過去の相関を確認
念のため、各国の過去の相関を確認しておきましょう!
※引用:Bloomberg
いかがでしょう?
ユーロ円、ポンド円、豪ドル円ともに2004年〜2009年ごろまでは、ほぼ一致と言ってもいいほど相関していますね!
ただそれ以降は、逆相関に見えたり、相関が全く無いようにも見えます。
2009年以降は、あまり一致していないとはいえ、過去の経歴からして相関の可能性は高い傾向にあると言えそうですね。
トルコリラの相関について知る
それでは肝心のトルコリラの相関について見ていきましょう!
パッと見た感じでは、全く相関が無いように見えます。
特に薄く縦に青い線を引いた2箇所ですが、政策金利を上げても為替レートは上昇どころか、下降してしまっています。
しかし、2つの赤矢印の箇所は、少し相関があるかもしれません。
この赤矢印の箇所は、政策金利がさらに上昇している最中になりますが、この後の為替レートも上昇していることが確認できるかと思います。
具体的には、左の赤矢印のところです.
左の赤矢印について
2018年8月に17.75%だった政策金利が、1月後の9月には24%になっています。
このタイミングで、2018年8月に17円だった為替レートは、11月まで上昇を続け、21.7円付近にレートを切り上げています。
16.987円(17.75%) ⇨ 21.769円(24.00%)
この上昇は、グラフでは小さく見えますが、実際にはかなり大きいです。
しかし、2019年6月までの1年弱ほど、24%の政策金利は続きますが、この11月以降はレートが伸び悩んでいます。
つまり、政策金利が上昇して2ヶ月ほどはレートも上昇しましたが、その後に高い政策金利であってもフラット状態になると、為替レートは落ち込んでいます。
次に右の矢印のところですが、左の赤矢印と似たような状況を覗かせています。
左の赤矢印について
右の赤矢印は、2020年11月のトルコ中銀総裁の更迭後、新人の総裁により政策金利が10.25%から15%に引き上げられたところです。
さらに12月には17%へ政策金利は引き上げられました。
このあたりから2021年に入ったばかりのここ最近の状況も、似たような局面になっており、2020年11月に13円弱だったトルコリラは、14円近辺までレートを切り上げています。
13.306円(10.25%) ⇨ 13.890円(17.00%) ⇨ ??
次の政策金利は、1月21日の20時です。今後どのように政策金利が発表されるのか気になるところです。
もし、左の矢印の所と同じような状況を想定するならば、政策金利が上昇中または上昇しきって1〜2ヶ月は為替レートが上昇する可能性がありますが、政策金利の頭うちが分かる頃にレートを下げてくることになります。
あくまでも政策金利だけに注目した解釈なので、参考程度に留めておいてください。
なんといっても、トルコリラのここ8年ほどのレートは、全体的に大きな下げ圧力で常に右肩下がりです。
大統領が変わるなど、大きなファンダメンタルズがない限りは、このまま下げ圧力が強い状況が続きそうです。
ちなみにエルドアン大統領は、2003年3月から就任しています。
まとめ:トルコリラのレートと政策金利の関係
記事のポイントをまとめます。
- 政策金利と為替レートは相関する時としない時がある
- 特に、トルコリラは政策金利と相関しにくい
- しかし、過去に政策金利の上昇直後は相関することがあった
- トルコリラに関しては長年に渡り下げ圧力なので注意が必要
- 2021年初頭は、政策金利上昇中なので為替レートも上昇する可能性が高い
- しかし、政策金利の上昇が落ち着けば、再びレートは落ちる可能性が高い
こんな感じです。
各国およびトルコの過去の政策金利と為替レートの関係から上記が考えられます。
しかし、政策金利以外のファンダメンタルズやテクニカルのウエイトが大きいのも事実です。
投資は自己責任で宜しくお願い致します。
というわけで今回は以上です。