南アフリカランドでサヤ取り(アービトラージ)は可能なのか?
過去10年分のレートを用いて解説します。
✅南アフリカランドでサヤ取りは可能か?
✅可能な場合、どれくらいの利益が得られそうなのか?
✅レバレッジや証拠金維持率はどれくらいに設定すればいいか?
→このような疑問について、解説していきます。
最近の高金利通貨の情勢
ここ最近の高金利通貨といえば、トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドですね。
トルコリラの政策金利の推移
トップで高かったトルコリラの政策金利も、ここ最近は下がってきました。
ピーク時の政策金利は、 24% でしたが、現在は 10.75% と半分以下になっています。
これに伴い、トルコリラサヤ取りの収益が減少してきました。
メキシコペソの政策金利の推移
メキシコペソに関しては、
2019年の6月 8.25% を最後に、現在は 7.00% です。
南アフリカランドの政策金利の推移
南アフリカランドの政策金利の推移グラフです。
2019年まで 6.50%でしたが、2020年1月から 6.25%です。
とはいえ、他の高金利通貨に比べるとかなり安定しています。
南アフリカランドでサヤ取りは可能なのか?
結論から言うと、南アフリカランドでサヤ取りは可能です。
サヤ取りの状況を知るためには、次の 4つのSTEP で確認します。
① スワップ確認 → サヤ取り計算
② スプレッド確認 → スプレッド損失計算
③ レバレッジ(証拠金維持率)確認 → リスク確認
④ 年利確認
まずは、サヤ取り(アービトラージ)の第一歩とも言えるスワップから確認してみましょう!
①スワップ確認【南アフリカランド】
買いスワップが高くて、売りスワップが低くないと、
サヤ取り(アービトラージ)が成り立ちません!
国内FX業者のスワップをざっと調べて見た所、
サヤ取り(アービトラージ)が成り立つ業者がありそうです。
②スプレッド確認【南アフリカランド】
業者によってスプレッドの違いが大きいので注意が必要です。
スプレッドによる損失は回収するまでに、1週間~数ヶ月の期間がかかり、業者によって大きな差が生じます。
メキシコペソでのスプレッドは、0.2銭から4銭と20倍近く違いがあります。
確認を怠って、スプレッドが広いところで取引をすると、サヤ取り(アービトラージ)では致命的です。
上記に挙げた業者のスプレッドは以下のとおり。
✅ヒロセ通商「 LION FX 」 → 0.009円(0.9銭)
✅アイネット証券 「 ループイフダン 」 → 0.070円(7銭)
✅GMOクリック証券「 FXネオ 」 → 0.010円(1銭)
アイネット証券「ループイフダン」は、スワップは一番良いのですが、
スプレッドが広すぎるためヒロセ通商で運用を仮定します。
スプレッド損失の計算
0.009 + 0.010 = 0.019
10万通貨なので
0.019 × 100,000 = 1900円
→スプレッド損失は、10万通貨( 10 lot )あたり、1900円
あとは、収益とリスクの大きさと日々の管理の問題です。
③レバレッジ(証拠金維持率)とリスク確認【南アフリカランド】
まず、1日の値動き(変動率)を示した過去10年分のグラフを上に参照します。
レバレッジや証拠金維持率はどれくらいにすれば良いか?
この過去のレート変動率より、適正なレバレッジと証拠金維持率を探っていきます。
当然ながら、レバレッジをあげれば利益は増えますが、合わせてリスクも増えます。
資金移動をこまめに行うと仮定した場合、出金処理は大抵1営業日ほどで完了しますので、
1日おける最大の値動きをカバーできれば、大抵ロスカットは免れるかと思います。
1番大きな棒がすぐに分かると思います。
これは、2016年6月24日につけた南アフリカランド円の史上最安値 6.39円の日で、
・中国の景気後退によるリスクオフ
・イギリスのEU離脱決定
が原因です。
この10年間の1日変動率を、全てカバーする場合、
売りポジション側は、+7%
買いポジション側は、-15%
これをカバーできれば、1日でロスカットされることはないということになります。
▼証拠金維持率・実効レバレッジ・変動率の関係▼
この関係表より
☑️売りポジション側の変動率 7% に耐えるには、
・証拠金維持率は、 275%以上
・レバレッジは、 9.1倍以下
☑️買いポジション側の変動率 -15% に耐えるには、
・証拠金維持率は、 475%以上
・レバレッジは、 5.3倍以下
これで、過去10年間の1日変動率を全てカバーできます。
また、過去10年間の1日変動率を、全てカバーするのではなく、
あまりに大きなものを除外して考えた場合、
☑️売りポジション側の変動率は 7%
・証拠金維持率は、 275%以上
・レバレッジは、 9.1倍以下
☑️買いポジション側の変動率は -9%
・証拠金維持率は、 325%以上
・レバレッジは、 7.7倍以下
このように、過去10年間の1日変動率を概ねカバーすると利益は上がります。
それでは、これらのレバレッジと証拠金維持率で、年利はどうなるのか?
④年利確認
☑️過去10年の1日変動に全て耐える場合
<売りポジション側 変動率 7%>
・証拠金維持率 275%以上
・レバレッジ 9.1倍以下
<買いポジション側 変動率 -15%>
・証拠金維持率 475%以上
・レバレッジ 5.3倍以下
年利 → 8.5%
☑️過去10年の1日変動に概ね耐える場合
<売りポジション側 変動率 7%>
・証拠金維持率 275%以上
・レバレッジ 9.1倍以下
<買いポジション側 変動率 -9%>
・証拠金維持率 325%以上
・レバレッジ 7.7倍以下
→年利 10.7%
ここ3年の南アフリカランド円は安定しているので、
2つ目のパターンでも大丈夫な気がします。
【まとめ】南アフリカランド円のサヤ取りとレバレッジ
南アフリカランドサヤ取りのポイントをまとめます。
☑️買スワップが最も高い業者で買い、売りスワップが最も低い業者で同数売る
☑️スプレッド損失を取り戻すのに少し期間がかかる
☑️年利10%前後で運用可能 (過去10年の1日変動率をカバーする場合)
南アフリカランドのレートと政策金利は割と安定しているので、他通貨のサヤ取りが不安定ならば、乗り換えるのもありです。
というわけで、今回は以上です。