2019年6月23日(日)は、トルコのイスタンブール再市長選です。
前回、3月31日に市長選が行われましたが、エルドアン大統領の率いる与党「AKP」が、最大野党「CHP」に敗北しました。しかし、エルドアン大統領らが「CHP」に不正があったと主張し、選管当局が認めたため本日、再選挙となりました。
このように土日に為替への影響が大きそうなイベントがあると、月曜日の窓開けに警戒してしまいますよね。
そこで過去のトルコリラにおいて、どのようなイベントで、どのくらいの窓開けがあったか探っていきたいと思います。
目次
「窓開け」とは
まず、窓開けを簡単に解説します。
下にあるチャートをご覧下さい。
中央付近にチャートが連続せずに、隙間が空いている箇所があります。
これが、「窓開け」と呼ばれる現象で、英語ではそのまま「GAP(ギャップ)」とも言います。
窓開けが起きるとしたら、大抵は月曜日の朝です。
なぜ月曜日の朝かというと、土日はほとんどの市場が止まっているのですが、イスラム圏では土日が休日ではないため、小規模ながらも活動しています。
また土日は、選挙等の大きなイベントが多いためです。
トルコリラにおける窓開け
それでは、過去のトルコリラにおける大きな窓開けを3つ紹介します。
窓空けその1【2015年6月8日(月)】
前週末47.20円→週明け45.40円
窓開け幅 -1.8円
変動率 -3.8%
2015年6月7日(日)のトルコ総選挙で、与党(AKP)が議席の過半数を取れなかったため、-1.8円の下窓開けとなりました。
窓開けその2【2018年8月13日(月)】
前週末17.25円→週明け16.15円
窓開け幅 -1.1円
変動率 -6.4%
2018年8月10日(金)は、米国人牧師の解放に応じず、経済制裁をくらいトルコショックが起きました。
トルコの暴落が起きたので、市場では利上げ観測がされていましたが、この後の12(日)に、エルドアン大統領による演説で、むしろ利上げを否定する意見が発表されたため、さらに急落して窓開けスタートとなりました。
窓開けその3【2017年10月09日(月)】
前週末31.14円→週明け30.00円
しかし、10分後にさらなる急落が起きたため、こちらを参考にする。
前週末31.14円→週明け10分後に28円前後
窓開け幅 -3.14円
変動率 -10.0%
トルコと米国のビザ発給相互停止が発端だが、月曜日が日本の祝日であったため、取引量が極度に少なく、日本の業者がすべてオープンした7時以降に大きなレートの乖離が発生した。
これを受けて、10分後の7時10分には大陰線を描くことになったため、これを窓空け参考とさせてもらいました。
番外編【2019年4月1日(月)】
一応、前回の3月31日(日)のトルコ地方選挙後を紹介します。
前週末19.84円→週明け19.76円
変動幅 -0.08円
変動率 -0.4%
トルコの三大都市であるアンカラ・イスタンブール・イズミルの市長選において、すべて与党(AKP)が敗北しましたが、全くと言っていい程、窓空けはありませんでした。
トルコリラの窓空け対策
上記のように、大きくて10%の変動率が起きた場合の対策は、証拠金維持率を350%保っておけば、強制決済を回避できます。
米国との外交問題で生じる窓空けは、大きなケースが過去にはありましたが、選挙による前回の窓空けは拍子抜けレベルでした。
過去の2015年の経歴から、選挙による窓空けは、5%程度の変動率で対策をしておけば良いかと思われます。
5%の変動率が起きた場合の対策は、証拠金維持率を250%置いておけば、強制決済を回避できます。
ほとんどのサヤドラーの方が、もっと高い証拠金維持率を確保していると思われますので、実際にはそこまで気にしなくいいのかもしれません。