今回は5月25日の、メキシコペソのサヤ取りの記事に引き続き、ポーランドズロチ&ユーロの両建てについて調べてみたいと思います。
この両建ては、ズロチ/円を買って、ユーロ/円 を売るということです。
クロス円になっていますので円の関係をなくすと、ユーロ/ズロチを売っているのと同じことです。
従って、為替差損が完全にリスクオフのトレードではないため、当ブログではあえて「サヤ取り」ではなく「両建て」と表現を変えています。
ズロチ&ユーロの両建ての面白いところは、買いも売りも両方ともスワップがプラスという点です。
どの程度のスワップ益になるのか、大変興味深いので調べてみました。
参考記事:両建てでスワップポイント生活
・ズロチとユーロの相関
まずは、ズロチとユーロの10年分のチャートを見比べます。
PLN/JPY
EUR/JPY
まるで同じチャートを見ているかのような感覚です。
同じEU圏なのでユーロのファンダメンタルズを受けるため、値動きが類似しています。
かなり相関が強いようですが、別通貨であるため乖離を起こす可能性はあります。
現在のズロチ&ユーロのレートは以下のようになっています。
122.730 ÷ 28.627 ≒ 4.3
つまりズロチ4.3枚買いに対して、ユーロを1枚売れば同額の両建てとなります。
このように、両建ての比が 4.3 : 1 と同じではないのが特徴です。
この比率が一定であれば、為替差損益は生じませんが、その傾向を知るために、ユーロ/ズロチ のチャートを参照します。
このチャートでの振幅が弱いほど、相関が強いと言えます。
近年のユーロ/ズロチは、4.2〜4.3を中央値に弱く変動しており相関が高そうです。
しかし、今後長い目で見た場合、乖離の可能性があることを覚えておく必要があります。
・各業者のスワップ
ポーランドズロチを扱っている業者は少ないため、「口座P」と「口座3」での比較となります。
ユーロ売りのポジションは、スワップだけで見ると「口座3」にしたいところですが、同じ業者の方が資金移動の必要がなく便利です。
また、スプレッド的にも、「口座P」が有利です。
同じ口座で両建てを持つので、割と高いレバレッジにも耐えられるかと思います。
両方ともプラススワップですので、
64.5 + 4 = 68.5円
この 4.3 : 1 の両建てでのサヤ取りは68.5円です。
スプレッド損失は、
2537 + 90 = 2627円
2627 ÷ 68.5 = 38.35日
39日後に黒字化と、やや遅めなのは引っかかります。
(参考:ズロチ1万通貨のスプレッド=590円)
また、「口座P」は1,000通貨単位での注文が可能ですが、1,000通貨あたり30円の手数料が生じます。(1万通貨以上注文の端数は手数料なし)
また、1円未満のスワップは切り捨てられます。
以下は、「口座P」のHPより引用です。
従って、68円のサヤ取りになる点に注意です。
文頭で触れたとおり、この両建ては、ユーロ/ズロチを売る事と同じです。
「口座S」では、ユーロ/ズロチを取り扱っているので、最近のスワップを参考にしてみました。
EUR/PLNの売りスワップ(取得単位:円)
現時点では、クロス円での両建てが有利な状況となっています。
・適正レバレッジ
ここ10年の月足チャートです。
・レバレッジ3.5倍
ここ10年の値動きに対応しているので安心です。
ズロチ買いは7円の下落に、ユーロ売りは30円の上昇に耐えることができます。
年利は、3.2%です。
必要資金は、約77万円です。(ズロチ4.3万通貨買い&ユーロ1万通貨売りの両建て)
・レバレッジ5.5倍
ここ1〜2年の値動きの対応しています。
ズロチ買いは4円の下落に、ユーロ売りは17.5円の上昇に耐えることができます。
年利は、5.0%です。
必要資金は、約45万円です。(ズロチ4.3万通貨買い&ユーロ1万通貨売りの両建て)
・あとがき
通貨の種類の異なる両建てですが、現在は大きな乖離がなく相関しているため両建てが可能です。
スプレッド損失による黒字化までの期間が長いですが、買いと売りの両方がプラススワップなのが魅力的です。
毎日、プラスだけになる保有スワップを眺めるのが楽しそうです。
年利はそこまで高くないですが、同じ口座でポジションを持つため、もう少し高いレバレッジで運用も可能かもしれません。