12月も中旬になり、急に寒くなってきましたね!
今回は『確定申告』に向けて、FXのポジション整理をした方がいいという話です。
税金に備えてそろそろポジションを見直しましょう!
【まずは】確定損益と含み損益の違い
『利益確定』とか『含み損』って言葉を聞いた事があるでしょうか?
税金のお話
国内FXの場合、1月1日から12月31日までの1年間で、20万円以上の利益がある場合、一律20.315%の所得税が課せられます。
(専業主婦の場合は、38万円以上)
税金の計算のためには、『確定損益』と『含み損益』の違いを知っておく必要があります。
【確定損益とは】
持っているポジションを決済した時に、初めて損益が確定します。
・決済時にプラスで終えたら『利益確定』
・決済時にマイナスで終えたら『損失確定』
⇨ 決済後の損益をもとに、税金の計算をしていきます。
【含み損益とは】
持っているポジションが未決済の時の、損益になります。
・持っているポジションがプラスなら『含み益』
・持っているポジションがマイナスなら『含み損』
⇨ 未決済である含み損益は、税金の計算の対象になりません。
“注意ポイント”
※ FX業者によっては、未決済のポジションでもスワップだけが、日々自動的に確定する口座があります。
⇨ とはいえこの場合に、特に注意が必要になります。
【問題】12月末のポジションには注意!?
例えば、GMOクリック証券のFXネオは、ポジションが未決済であっても、スワップだけ毎日決済されます。
以下のようなポジションを、12月末時点で持っているとします。
(※累計SWAPは確定済み)
あなたならこのポジションにたいして、税金対策をしますか?
以下の選択肢から考えてみてください。
(ただし、これ以降のレート及びスワップの変動は無視するものとする。)
【選択肢】
- そのまま放置して来年に決済する
- 年内に全て決済する
- そのまま放置して来年に確定申告をする
- 一部決済してあとは何もしない
そんなことはありません!!放っておくと余計に面倒なことになります!
【解説】4パターンの行動について
では先ほどの選択の行動によって、どう変わるのか順番に解説していきます。
①そのまま放置して来年に決済する
このポジションをそのまま放置してしまうと、累計スワップの-34.8万円は2020年内に確定しますが、評価損益の+69.4万円は来年に持ち越されます。
つまり、69.4万円は再来年の課税対象になります。
国内FXは20万円以上の利益で20.315%の所得税が課せられるので・・
69.4 × 20.315% = 14.1
したがってこのポジションにより、2022年に14.1万円を納税しなければなりません。
【①の結果】2022年に14.1万円の納税義務が生じる。
②年内に全て決済する
このポジションを全て決済した場合、評価損益は 34.6万円です。
34.6 × 20.315% = 7.03
したがって、2021年に7.03万円を納税しなければなりません。
【②の結果】2021年に7.03万円の納税義務が生じる。
③そのまま放置して来年に確定申告をする
ポジションを放置すると①同様に、評価損益の+69.4万円は来年に持ち越され、再来年の課税対象になります。
しかし、確定申告によって-34.8万円は繰越損失が可能でます。今後3年間まで確定申告で損益通算ができます。
69.4 - 34.8 = 34.6
再来年の納税義務は34.6万円に対してかかります。
34.6 × 20.315% = 7.03
したがって、2022年に7.03万円を納税しなければなりません。
【③の結果】2022年に7.03万円の納税義務が生じる。
④一部決済してあとは何もしない
69.4万円の評価益のうち54.7万円分を決済すると、54.7-34.8=19.9 となり20万円未満の確定損益になります。
残りの14.7万円分の含み益を2021年に持ち越しますが、20万円未満は納税義務がないので、このポジションによる納税義務は生じません。
もし来年に他のポジションで利益確定があっても、このポジションによる納税額は・・
14.7 × 20.315% = 2.99
2022年に2.99万円のみです。
【④の結果】納税義務はない。または2022年に2.96万円分の納税加算が生じる。
ちなみにポジション100lotなので、69.4万円のうち54.7万円分とは・・
54.7 / 69.4 = 78.8
79lotを決済すればOKです。
そのまま、100lotを持っておきたいという場合は、1度79lotを決済して再度79lotを戻すとよいですね。
GMOクリック証券のFXネオは、TRYのスプレッドが1.7銭なので、スプレッド損失を計算すると・・
0.017 × 10000 × 79 = 13430
と1.3万円ほど損をしますが、何もしないよりはマシです。
【結果】節税効果が高いのは?
答えはダメな順となっており、最適な行動は④でした。
- そのまま放置して来年に決済する ⇨ 14.1万円納税
- 年内に全て決済する ⇨ 7.03万円納税
- そのまま放置して来年に確定申告をする ⇨ 7.03万円納税
- 一部決済してあとは何もしない ⇨ 納税なし(または2.99万円納税)
20万円以上の利益確定に対して税金が20.315%ということは、言い換えると20万円までは納税義務がないことになります。
ギリギリの利益確定を行えば・・
19.9 × 20.315% = 4.04
約4万円分の節税が可能になります。
確定損益や含み損益で20万円以内に調整が可能な状態なら、一考の余地があるかと思います。
というわけで今回は以上です。
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