メキシコペソでスワップポイント生活は可能なのか?結論からすると可能だけど、資金、購入期間やタイミングによって実現度合いは異なります。本記事では3大高金利通貨と比較しながら、メキシコペソでスワップポイント生活をするコツをご紹介します。
メキシコペソでスワップポイント生活は可能?
トルコリラや南アフリカランドと比べてどう?
失敗しないのかなぁ?
結論、メキシコペソでスワップポイント生活は可能です。
レバレッジ3でスワップ月収20万円
必要資金は約1,000万円。
メキシコペソスワップポイント生活のコツ
- 下落トレンドで購入しない
- ドルコスト平均法で購入
- 業者の選択が重要
コンスタントにスワップが高い業者と低い業者を選ぶことが重要。
メキシコペソのスワップが最高水準!!
本記事では「まとめて購入する場合」と「定期購入する場合」の場合分けでコツをご案内します。
スワップポイント生活で使う3大高金利通貨(メキシコペソとの比較)
スワップポイント生活を目指すなら、当然スワップポイントの高い通貨ペアを選ぶ必要があります。
スワップポイントは高ければ高いほどいいのは確かですが、同時にレートの安定性も重視する必要があります。どんなにスワップが高くても、レートが下落し続けて為替差損失が膨らむと、結局は資産が目減りしてしまうからです。
スワップポイント生活の通貨ペア条件
- 高金利通貨
- レートの下落が少ない通貨
スワップポイント生活を目指すなら、高金利通貨でかつ、下落が少ない安定性の高い通貨ペアで長期運用ができることが条件です。
高金利通貨(トルコリラを抜いてメキシコペソが1位)
高金利通貨といえば、トルコリラ・メキシコペソ・南アフリカランドの順に政策金利が高いので、スワップポイントが高いです。
政策金利の状況
政策金利 | トルコリラ | メキシコペソ | 南アランド |
2018年 | 8% | 7.25% | 6.75% |
2019年 | 24% | 8.25% | 6.75% |
2020年 | 11.25% | 7.25% | 6.25% |
2021年 | 17% | 4.25% | 3.5% |
2022年 | 14% | 5.5% | 4% |
2023年 | 9% | 10.5% | 7.25% |
※各年の1月時点
上記のような政策金利の推移ですが、トルコリラが長年スワップが高い印象があります。
実際のレートとスワップポイントはどのようになっているのでしょう?
高金利通貨のスワップポイント
高金利通貨 | トルコリラ | メキシコペソ | 南アランド |
レート | 7.00円 | 6.90円 | 7.47円 |
スワップ | 17円 | 194円 | 133円 |
必要証拠金 | 2,780円 | 27,710円 | 30,280円 |
※メキシコペソ、南アフリカランドは10万通貨あたり ※2023年2月
FX業者の表示上のスワップポイントは上記の通りです。メキシコペソや南アフリカランドは10万通貨あたりだったりレートが違ったりバラついています。
比較がしにくいので必要証拠金1万円のスワップポイントで比較しましょう。↓
必要証拠金1万円あたりのスワップポイント
レバレッジ25倍 | トルコリラ | メキシコペソ | 南アランド |
1日のスワップ | 61.2円 | 70.0円 | 43.9円 |
※条件:レート10円かつ1万通貨あたりのスワップ ※2023年2月
当然政策金利の順となり、現在はメキシコペソが1番良い状況です。
しかし、レート下落のリスクにも配慮する必要があります。
レートの下落(長期目線で把握)
高金利通貨の中でもトルコリラはスワップポイントが高く良さそうに見えますが、レートがとても不安定です。
・・というか下落し続けています。
トルコリラの月足チャート
トルコリラは継続的に下落。スワップポイント生活をするには、両建てを使うなどコツが必要になります。
関連記事:トルコリラでスワップポイント生活をする方法【コツをご紹介】
メキシコペソの月足チャート
一方でメキシコペソは、ある程度はレンジ相場になっているので、タイミングによってはレートが下落し続けるリスクが少ないです。ワンチャン、レート上昇による為替差の収益とスワップと両方を得ることができます。
南アフリカランドの月足チャート
南アフリカランドのチャートはやや下落傾向ですが、レンジ相場になっています。
現状ではスワップポイントが高いメキシコペソを選択することになります。
「メキシコペソ」はスワップとレート下落リスクのバランスが良い。
いくらあればメキシコペソでスワップポイント生活ができる?
それではどれぐらいの資金を用意すれば、メキシコペソでスワップポイント生活ができるのか見ていきましょう。
毎日もらえるスワップの金額に応じて買いポジション数(lot数)を調整すれば、月のスワップ収入が算出できます。以下はその関係をまとめた表です。
スワップと月収とlot数の関係
スワップ | 月5万円 | 月10万円 | 月25万円 |
5円 | 334 | 667 | 1,667 |
10円 | 167 | 334 | 834 |
15円 | 111 | 222 | 555 |
20円 | 84 | 167 | 417 |
25円 | 67 | 134 | 334 |
※月30日で計算
仮にスワップが20円の場合、月25万円に到達するには417lotの買いポジションが必要ということです。
今回はスワップポイント生活をするために月20万円の生活費が必要とします。
FXでは雑所得として20%の所得税を収める必要があるため、月25万円のスワップポイント収益が必要です。(※年間利益が20万円以上の場合、雑所得の納税義務が発生する)
スワップ25万円 - 20%雑所得 = 生活費20万円
417lotの買いポジション数はレバレッジによって必要な資金が異なります。
3大高金利通貨の必要資金を見てみます。
月25万円のスワップポイントを得るための資金
月25万円の必要資金 | トルコリラ | メキシコペソ | 南アランド |
レバレッジ25 | 136.3万円 | 119.0万円 | 189.9万円 |
レバレッジ10 | 340.7万円 | 297.6万円 | 474.3万円 |
レバレッジ5 | 681.4万円 | 595.1万円 | 948.6万円 |
レバレッジ3 | 1,136万円 | 991.9万円 | 1,581万円 |
レバレッジ1 | 3,406万円 | 2,975万円 | 4,743万円 |
※トルコリラ7.0円(必要証拠金2,780円/lot)、メキシコペソ6.9円(必要証拠金2,771円/lot)、南アフリカランド7.47円(必要証拠金3,028円)
※2023年2月7日時点
※月30日で計算
日本ではレバレッジ25倍までの運用ができますが、10倍以上は難しくレバレッジ3以下が現実的です。
関連記事:メキシコペソの適正な証拠金維持率
メキシコペソでスワップポイント生活20万円を目指すには約1,000万円の資金が必要。
→生活費10万円あたり約500万円の資金。
メキシコペソでスワップポイント生活をするための購入タイミング
メキシコペソでスワップポイント生活を目指す場合の購入タイミングは、購入方法によって異なります。
長期運用における購入方法は主に2つ。
スワップポイント生活を目指す購入
①まとめて購入
②定期購入のみ
一気に買うか、継続的に一定額を買い増す「ドルコスト平均法」になるのかの2択です。(またはこのハイブリッドでもOK)
これはスワップポイント生活をいつ始めるかによって異なります。
スワップポイント生活開始までの期間が短いなら、継続的に買い増すことができないので、ある程度まとめて購入することになります。
若い人なら、まとめて購入する以外にも、月に3万円など定期的に定額購入するのも良い戦略です。
定期的に定額購入するドルコスト平均法が効いて購入価格が下がるからです。
①まとめて購入
まとまった資金でメキシコペソを購入するパターンです。まとめて購入する場合、購入タイミングがかなり重要になります。
メキシコペソが割高の時にたくさん購入してしまうと、レート下落による損失の可能性が高くなるからです。
月足チャートでは綺麗なトレンドが出ており、5.5円以上は割高と判断できます。
メキシコペソ月足チャート(トレンドライン追加)
現時点6.933円で1,000万円分(レバレッジ3)のメキシコペソを購入すると月25万円のスワップです。この時の買いポジション数は417lotです。
1年後にメキシコペソが5.5円まで下落したとすると、為替差損益は-1.433円。
下落シミュレーション
下落でどうなる? | レバレッジ2 | レバレッジ3 | レバレッジ5 |
購入資金 | 1,500万円 | 1,000万円 | 595.1万円 |
lot数 | 417 | 417 | 417 |
ロスカットレート | 3.70円 | 4.88円 | 5.80円 |
1円下落 | -432万円 | -432万円 | -432万円 |
1.433円下落 | -619万円 | -619万円 | -619万円 |
1年のスワップ | 300万円 | 300万円 | 300万円 |
※トルコリラ7.0円(必要証拠金2,780円/lot)、メキシコペソ6.9円(必要証拠金2,771円/lot)、南アフリカランド7.47円(必要証拠金3,028円)
※2023年2月7日時点
※月30日で計算
レバレッジ5だと5.5円まで下落する前にロスカットレートに触れてしまいます。しかし、12ヶ月間スワップ引き出しをしなければ、年間300万円のスワップ収入があるので、必要証拠金が増えてロスカットはされません。
2020年以降のように購入タイミングが良ければ、スワップポイントの利益と為替差の利益が重なり、ダブルゲインの資産形成となります。
購入タイミングによって未来は大きく異なるので、長期相場でレンジを確認してエントリーすることをオススメします。
もし、相場が下落トレンドに入ったら「両建て」をするのがスワップポイント生活のコツです。
両建てを行うことで相場の下落リスクを打ち消しつつ、スワップポイントの収益のみを得ることができます。
そのためにはスワップポイントの高い業者と低い業者でポジションを持つことが重要です。
メキシコペソのスワップが最高水準!!
一方で定期購入をするとタイミングによる差は無くなります。
②定期購入
メキシコペソに限らないのですが、定期的に資産を購入すると「ドルコスト平均法」が効いてきます。
ドルコスト平均法
一定金額で定期的に購入すること。
金額を一定にすることで、価格が低い時には購入数が多くなり、価格が高い時には購入数が少なくなる。結果的に購入単価を抑える作用がある。
例えば2020年1月から、毎月3万円のメキシコペソをレバレッジ3で購入し続けたとします。
ドルコスト平均法での購入単価(メキシコペソ円)
平均購入単価は5.62円となり、その購入数は59万通貨。
ドルコスト平均法での成績
投資元本 | 114万円 |
平均購入単価 | 5.62円 |
現在レート | 6.904円 |
現在の為替差損益 | +1.284円 |
為替評価損益 | +75.76万円 |
累計スワップ | +39.3万円 |
現在の月スワップ収入 | 約3.5万円 |
39ヶ月分の元本114万円に対して、レートとスワップによる利益は115万円。3年3ヶ月で利率100%なので、年利30%ほど。
上昇トレンドでもドルコスト平均法なら購入単価を抑えることが可能!
メキシコペソスワップポイント生活の運用注意点
スワップポイント生活の運用の注意点が3つあります。
スワップポイント生活の運用の注意点
①為替変動リスク
②スプレッド損失
③スワップポイントの変化
為替変動リスクはここまでで解説しましたが、念のため、おさらいしておきます。
①為替変動リスク
高金利通貨は長期的にはレートの下落リスクがあります。スワップ収益よりレート下落による損失が上回っては本末転倒ですよね。
将来的に為替差とスワップによる損益でマイナスにならないようにしたいところです。
為替変動リスクへの対応
まとめて購入する場合:長期レンジでタイミングを検討
定期購入する場合:一定金額で購入する「ドルコスト平均法」で購入コストを下げる
スワップだけの利益で運用する場合:両建てを使う(※詳細は両建てでスワップ生活)
為替変動によりポジションの証拠金維持率が低下しないように注意する必要があります。
関連記事:適正な証拠金維持率
少なくともロスカットはされないレバレッジでトレードしましょう!
②スプレッド損失
スプレッドによる損失はスワップポイント生活を目指す運用においてはバカにならない存在です。
メキシコペソの場合、以下のようにスプレッドが開いています。
メキシコペソのスプレッド(くりっく365)
売り | 買い | スプレッド |
6.925円 | 6.930円 | 0.005円 |
スプレッドが0.005円の場合、1lotの購入で50円の損失があります。この時のスワップポイントは19円だったので、スプレッド損失を取り戻すのために3日分のスワップポイントが必要になります。
購入と売却を繰り返すほどスプレッド損失は増える。
③スワップポイントの変化
スワップポイントは日々変化するので、常に一定ではないことに注意が必要です。メキシコペソがスワップポイント生活に常に有利とは限りません。トルコリラや南アフリカランドなどの他の高金利通貨の政策金利の動向にもたまに目を配りましょう。
また、FX業者によるスワップポイントの違いにも注意です。
毎日スワップポイントを確認するのが理想的。
長期的にスワップポイント生活を目指すには、FX業者の選択が重要
FX業者により日々のスワップポイントは異なり一本値ではありません。
スワップポイントの特徴はFX業者ごとにあらわれる傾向があります。例えば、プラススワップが高い業者、マイナススワップが低い業者、スワップポイントが長期間安定している業者など特徴は様々です。
スワップポイント生活のためには、長期間スワップポイントが安定するFX業者を選ぶことが大切です。
まとめ:メキシコペソでスワップポイント生活をするコツをご紹介
ここまででメキシコペソでスワップポイント生活を目指す運用法についてご紹介させていただきました。
本記事のポイントを以下にまとめていきます。
スワップポイント生活のポイント
- 高金利通貨かつ安定性の高い通貨ペアで長期運用が必要
- メキシコペソは下落リスクが少なくスワップポイントも高い
- スワップポイントは日々変化するので毎日確認が理想
- 購入方法は「まとめて購入」か「定期購入」(またはこのハイブリッド)
- 「定期定額購入」なら、ドルコスト平均法で購入単価が下がる
- 「まとめて購入」なら、下落トレンドを避ける
- 下落トレンドになったら「両建て」を視野に入れる
- 「両建て」で相場の下落リスクを打ち消しスワップポイント差で利益を得る
- そのためには日ごろからスワップポイントが高い業者で買いポジションを持つ
- 両建てするために売りスワップポイントが低い業者の口座を用意しておく
メキシコペソはスワップポイントが高いうえにレートは下落するだけではないのがトルコリラとの大きな違いです。
メキシコペソはスワップが過去最高レベルに上昇中・・
臨機応変なトレードでチャンスありです。
というわけで今回は以上です。
レート下落のリスクを無くしたスワップポイント生活「トルコリラ編」は・・
関連記事:トルコリラで両建て