スワップポイントが出金できるタイミングはFX業者によって異なることをご存知でしょうか?スワップポイントの出金ができるタイミングは大別すると3パターンに分かれています。本記事では各FX業者がどのような出金パターンでいつ税金がかかるのかをご案内していきます。
FXのスワップポイントっていつもらえるの?
あと、どの段階で税金がかかるの?
→ 結論から言うとスワップポイントを出金するには利益確定が必要で、利益確定させたタイミングで税金がかかります。
スワップポイントの利益確定をさせて出金できるタイミングは、FX業者によって異なるのでご紹介していきます。
本記事の内容は以下のとおり。
スワップポイントとは?
まず、スワップポイントについて簡単におさらいしておきます。
本来、スワップというのは「交換」を示す言葉です。
スワップ(SWAP)
直訳:交換
FXにおけるスワップとは金利と金利の交換、つまり2国間の金利差のことです。
日本はとても低い金利(ゼロ金利)なので、金利が高い国の通貨を買って、円を売れば金利差分の利益が日々付与されます。
→ 金利が高い国の通貨を買って、円を売るというのは、単純に「○○○/JPY の通貨を買う」ということです。
もちろん他の国の通貨同士の組み合わせでもスワップポイントを得ることは可能です。
→ 政策金利が高い国は高金利通貨と呼ばれ、スワップ益が高いので人気の通貨となっています。
スワップポイントは相手国または自国が休日以外は、基本的に毎日付与されます。
ポイント
FXスワップポイント
→ 2国間の金利差益のことで、休日以外で毎日付与される。
スワップポイント出金と利益確定の違い
似たようなニュアンスで意味が異なる「出金」と「利益確定」について、深掘りしておこうと思います。
通常の意味での「出金」とは、FX口座から資金を銀行口座に戻すことです。
→ ポジションを決済して利益確定しなくても、口座維持率を低下させる代償に出金できる場合が多いです。
ポイント
通常の出金
→ ポジション利益確定前でも口座維持率を低下させる代わりにいつでも可能
利益確定とは、損益を確定させて不動の状態にすることです。略して「利確」とも言います。
→ スワップポイントの出金は、スワップポイントの利益を確定させないと出金できません。
「口座維持率を低下させる通常の出金」と「スワップポイントだけの出金」を混同してしまいがちですが、本記事でいう出金は、後者の意味の出金になります。
ポイント
スワップポイントの出金
→スワップポイントの利益確定をしないと、スワップの出金をしたことにならない
スワップポイントが出金できるタイミングは3パターン:FX業者別
口座に付与されたスワップポイントが出金できるタイミング、すなわち利益確定のタイミングは業者によって異なります。
スワップポイントの付与と出金は意味が違うので区別して知っておいて下さい。
→ 付与はスワップが口座に与えられることで、含み益の状態です。
2つの国に祝日がない限り、スワップポイント付与のタイミング以下のようになります。
【日本の1週間】
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
0 | 0 | 1 | 1 | 3 | 1 | 1 |
※ 付与日数
ニューヨーク時間がクローズする時刻でポジションを持ち越した際に、スワップポイントの付与が決まります。
→ スワップポイントが付与されるタイミングは、基本的に休日以外の毎日です。
土曜日に付与されているのに違和感を感じるかもしれませんが、それは金曜日のニューヨーク取引終了が日本にとって土曜日の朝だからです。
このようにポジションを持ち越す行為のことを「ロールオーバー」とも言ったりします。
→ 通常は7:00だが、米国のサマータイム時(3月中旬から11月初旬)は6:00がクローズになります。
付与されたスワップポイントは維持率に反映しますが、出金できる状態とは限りません。
→ 付与されたスワップポイントは利益確定させることにより出金できる状態になります。
利益確定できるタイミングは次の3パターンです。
スワップ利益確定の3パターン
①自動的にスワップ利益確定
②手動でスワップ利益確定
③決済時のみスワップ利益確定
これらについて順番に解説していきます。
①自動的にスワップ利益確定
スワップポイントが付与された時に自動で出金扱いとなるパターンです。
ほぼ毎日、自動でスワップの利益が確定することになります。
→ 日本時間の毎朝(祝日以外の火曜日〜土曜日の6:00か7:00頃)にスワップポイントが付与されて、そのまま出金扱いとなります。
自動的にスワップ利益確定のFX業者
②手動でスワップ利益確定
付与されてたまったスワップポイントを好きなタイミングで出金できるパターンです。
FX業者によりスワップ出金の機能名は異なり、「スワップ受取」「スワップ振替」「スワップ振替機能」等となっています。
FX業者によっては、最低3,000円以上で振替可能など制限を設けている場合もあります。
手動で利益確定しなかったスワップは決済時に、利益確定扱いとなります。
手動でスワップ利益確定のFX業者
③決済時のみスワップ利益確定
付与されたスワップポイントは口座維持率に反映しているが、利益確定扱いになっていないパターンです。
ポジションを決済するまで利益確定することができず、スワップポイントを出金することはできません。
→ 最もシンプルで典型的なパターンといえます。
決済時のみ利益確定のFX業者
スワップポイントに税金がかかるタイミング
スワップポイントに税金がかかるタイミングは、スワップポイントの利益確定をさせたタイミングです。
→ ポジションそのものを決済しなくても、スワップポイントだけを利益確定させたら、その瞬間にスワップポイントだけに所得税がかかります。
①自動的にスワップ利益確定の場合
→毎朝、課税対象のスワップが発生。
②手動でスワップ利益確定の場合
→スワップ振替時に課税対象となる。振替せずに残ったスワップはポジション決済時に課税対象となる。
③決済時のみスワップ利益確定
→ポジション決済時に課税対象となる。
ただし、給与所得者で年間利益が20万円未満の場合は、所得税の対象外で確定申告は不要です。
“注意ポイント”
1月1日〜12月31日の所得税計算時に、FX業者によって利益確定のタイミングが異なるので確定申告の際は注意!!
出金しなくても利益確定させたら所得税の対象になるので注意して下さい。
スワップポイントの出金・税金のタイミング:まとめ
ここまででスワップポイントの出金・税金のタイミングと税金について、ご紹介させていただきました。
以下に要点をまとめます。
・通常の出金
→ 維持率を低下させる代わりに利益確定前でも出金可能。
・スワップポイントの出金
→ スワップポイントの利益確定後に出金可能。
・スワップに税金がかかるタイミング
→ 出金しなくてもスワップ利益確定の段階で所得税がかかる。
スワップポイントの利益確定は3パターン
①自動的にスワップ利益確定
→ 市場稼働の毎日、自動的にスワップの利益が確定。
②手動でスワップ利益確定
→ スワップ振替機能を用いて自分で利益確定。振替をしなかったスワップはポジション決済時に利益確定。
③決済時のみスワップ利益確定
→ ポジション決済時しか利益確定できない。
他サイトで「自動でスワップ出金して税金がかからない」という内容を見かけるが、上記③の決済時のみスワップ利益確定と同じことです。
→ 通常の出金(スワップ利益確定しなくても口座維持率を下げる)と運用は同じです。
このようにFX業者によって利益確定のタイミングが異なるので、確定申告の所得税計算時には注意が必要です。
不利な納税にならないように、特に12月にはポジションの把握と整理をしましょう!
というわけで今回は以上です。