メキシコペソでサヤ取り(アービトラージ)は可能なのか?また、どれくらいのレバレッジでどれくらいの収益やリスクになるのか過去のレートより検討します。
■メキシコペソでサヤ取りはできるのか?
■レバレッジや証拠金維持率はどれくらいにしたらいい?
■どれくらいの利益が得られそうなのか?
そんな疑問を抱える方は、参考にしてみてください。
目次
高金利通貨のサヤ取り現状
高金利通貨のサヤ取りといえば、トルコリラのサヤ取りですが、ここ最近トルコの政策金利が下がってバランスが崩れてきました。他の高金利通貨であるメキシコペソに乗り換えた場合、どうなるのかシミュレーションしてみます。
メキシコペソでサヤ取り(アービトラージ)をしてみたい方は、ぜひ本記事をご覧ください。
ある程度FXの知識がある方は、まとめの表だけでも十分理解できると思います。
メキシコペソでサヤ取りは可能なのか?
結論としては、メキシコペソでサヤ取りは可能です!
サヤ取りが可能かどうか状況を知るには、以下の手順で確認すると良いです。
①スワップ確認
②スプレッド確認
③レバレッジ確認
④利益とリスク確認
まずは、サヤ取り(アービトラージ)の第一歩とも言えるスワップとスプレッドから見てみましょう!
メキシコペソのスワップ確認
サヤ取り(アービトラージ)は買いスワップが高くて、売りスワップが低くないと成り立ちません。
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メキシコペソについて、大手の国内FX業者のスワップを調べた結果、少数ながらもサヤ取り(アービトラージ)ができそうな業者があります。まず、買い用の業者はこちらです。
買い用の業者①
FXプライムbyGMO
(1万通貨あたりのスワップ)
ここのスワップが一番高そうです。メキシコペソの買いの欄を見ると、だいたい14円ぐらいですね。ちなみに先月も13円〜15円をキープしていました。
買い用の業者②
次は売り用の業者です。
売り用の業者①
売り用の業者②
外為オンライン(くりっく365)
(10万通貨あたりのスワップ)
こちらは10万通貨あたりなので、1万通貨だと-9.6円となりますね。
買い口座も外為オンラインにすれば、振替機能でスピーディーに資金移動ができるメリットが大きいです。
これらを組み合わせて運用すると、
14 - 10 = 4円
メキシコペソ1万通貨あたりのサヤ取りは、だいたい4円ですね。
ここ最近のトルコリラのサヤ取りは、15円でした。しかし、通貨のレート約18円です。メキシコペソのレートは、現在5.8円ぐらいなので、3倍すれば同じ土俵での計算となります。つまり、トルコリラで例えたら、12円ぐらいのサヤ取りということですね。ここ最近のトルコリラより少し安いということになります。しかし、最後の1月16日の政策金利変更からは、トルコリラのサヤ取りが下がってしまいました。買いスワップだけ下がってしまったからです。現状、5円のサヤ取りになってしまっています。
まだ、政策金利後のスワップが落ち着いていないのでどうなるのか分からないですが、この調子で低いままであれば、メキシコペソのサヤ取りに乗り換えた方がいいかもしれません。
さあ、スワップの次はスプレッドについて、考えてみましょう!
メキシコペソのスプレッド確認
業者のスプレッドの違いにも注意が必要です。
スプレッド損失は回収するまでに、短ければ1週間、長ければ数ヶ月の期間がかかり、結構な差があるからです。メキシコペソでは、業者によって、0.2銭から4銭と20倍近くスプレッドに違いがあります。間違えてスプレッドが広いところで取引をすると、黒字化までの期間が長くなり、サヤ取り(アービトラージ)しては致命的です。
上記であげた業者のスプレッドです。
・FXプライムbyGMO → 0.9銭
・外為オンライン → 1銭
・みんなのFX → 0.3銭(プレミアムフライデーで 0.1銭になることもある)
・くりっく365 → 0.5銭
これらでは、買いポジション側では、あまり差がありませんが、売りポジションについては圧倒的に、みんなのFXのプレミアムフライデーがお得です!
さてさて、スワップとスプレッドの確認により、少なくともサヤ取り(アービトラージ)が、成り立つ事は確認できました。あとは、収益とリスクの大きさと日々の管理の問題です。
レバレッジや証拠金維持率はどれくらいにすれば良いか(メキシコペソの場合)
メキシコペソでサヤ取り(アービトラージ)をする場合、どれくらいのレバレッジ、証拠金維持率でどれくらいの利益とリスクがあるのかを考察します。
過去のレート変動より、適正なレバレッジと証拠金維持率を探っていきます。1日おける最大の値動きをカバーできれば、大抵ロスカットは免れるかと思います。そこで過去の1日の値動き(変動率)を示した棒グラフ10年分を以下に参照します。
1番大きな下向きの線が目立っているかと思います。これは、2016年11月9日の米国大統領選でトランプ大統領の当選した時です。メキシコにとっては、国境に壁を作るマニフェストがあったため急落し、この日、メキシコペソは史上最安値を記録しました。なかなかこういったビッグイベントは発生しませんので、この日の変動率17%がカバーできれば、1日の急変でロスカットになることは免れそうです。
<買いポジションで過去最大の1日変動に耐える場合>
レバレッジ5倍未満、証拠金維持率は500%以上を保てば、メキシコペソのサヤ取り(アービトラージ)しては安心です。
これで1日の変動17%に耐えられます。
しかし、安全側に隔たりすぎると利益が減りますので、もう少し攻めた場合も考えます。よくよく見ると、このトランプ当選のショック以降は、大きな変動はありません。何かしらメキシコがざわつき始めてから、ポジション撤収でも良いかもしれません。ここ3年の値動きで安全を保つとすれば、1日の変動率5%がカバーできれば、1日の急変でロスカットになることは免れそうです。
<買いポジションで過去3年の1日変動に耐える場合>
レバレッジ11倍以下、証拠金維持率は225%以上を保てば、さらに利益を狙って行けそうです。
上昇側、つまり売りポジション側の急変は、変動率4%がカバーできれば、1日でロスカットになることは免れそうです。
<売りポジションで過去3年の1日変動に耐える場合>
売りポジションは、レバレッジ12.5倍未満、証拠金維持率は、200%以上程度で良さそうです。
また、売りポジションで過去最大の1日変動に耐えたいなら変動率7%のラインを意識することになります。
<売りポジションで過去最大の1日変動に耐える場合>
売りポジションは、レバレッジ9倍未満、証拠金維持率は、325%以上程度で安心できそうです。
それぞれのレバレッジと証拠金維持率より、利益とリスクのバランスを探る
持っているポジションに対し、どの程度の管理ができるかで利益とリスクのバランスを選択します。2016年11月の過去最大のトランプ当選によるショックがカバーできるか、ここ3年の変動をカバーできるかの2択になりそうですね。
<過去最大の変動をカバーする場合>
買いポジ 変動率 17% レバレッジ5まで
売りポジ 変動率 7% レバレッジ9まで
年利 8%
<ここ3年の変動をカバーする場合>
買いポジ 変動率 5% レバレッジ11まで
売りポジ 変動率 4% レバレッジ12.5まで
年利 14.6%
ここ3年のメキシコペソは安定しているので、後者のパターンでも割と安全に運用できるかと思います。
メキシコペソのサヤ取りまとめ
メキシコペソでのサヤ取りのポイントをまとめます。
※2020年1月現在
<過去最大の1日変動に耐えれるHIGH安全型>
<過去3年の1日変動に耐えれるMIDLLE安全型>
最近は、トルコリラの政策金利が下がってきており、トルコリラのサヤ取りが安定しなくなってきました。メキシコペソのサヤ取りを検討してみましたが、十分にアリだと思います!
私も乗り換えようかな・・・
というわけで、今回は以上です。