仮想通貨のレイテンシーアービトラージは理論的には100%の勝率となるトレード方法です。それが本当かどうかを本記事で確認してもらいます。穴場レートの探し方やトレード時の細かいポイントも合わせてご案内します。実際そんなに手間ではないので、まずは少額で実践するのもありです。

そんな都合のいい話ある?
どれくらいの成績?
実際どうやんの?
本記事では仮想通貨の「レイテンシーアービトラージ」が可能かどうかをご確認していただきます。
結論として、勝率100%で1トレード当たり0.25%〜15.0%の利益を狙えます。仮想通貨の送金機能を活かせば何度でもトレード可能。数ヶ月後には見違える資産に成長しているはずです。
そもそもアービトラージとは?(4種類知ってますか?)
アービトラージは2つのポジションの状況の差を利用して利益を得る方法です。ノンリスク投資で勝率100%に近いのが最大のメリットです。
利益を得る方法はレートやスワップ等の差額を用いる方法で4種類あります。
4種類のアービトラージ
・レイテンシーアービトラージ
・スワップアービトラージ
・トライアングルアービトラージ
・ボーナスアービトラージ
この4種類のアービトラージがよく分からない人は「勝率100%に迫る投資界の聖杯とは?【マイナー手法】」をご覧ください。
本記事ではこのうち仮想通貨のレートの違いに着目した「レイテンシーアービトラージ」を深掘りしていきます。
FXでアービトラージは禁止?
ちなみにアービトラージの中でも海外FX業社は禁止事項が多いので注意が必要です。
FXはUSドルやユーロなど法定通貨を扱うので売買ボリュームが大きく、価格差が生じることはほとんどありません。ゆえにプログラムを用いないとレイテンシーアービトラージが成立しないほど超短期売買が必要なため、結果的にシステムへ高負荷を与えてしまいます。一応、違法ではないのですが、業者にアービトラージと判断されると口座凍結や出金拒否となるケースがあるため注意が必要です。
特に入金ボーナスを利用した「ボーナスアービトラージ」は禁止している業者がほとんどです。
一方で仮想通貨は業者や通貨によって売買ボリュームが小さいため価格差が開きやすいです。
仮想通貨はプログラムを使わない手動でのレイテンシーアービトラージが可能です。
仮想通貨のレイテンシーアービトラージのやり方(理解編)
まずは、仮想通貨のレイテンシーアービトラージの流れを理解しておきましょう!
大まかな流れは以下の4ステップとなります。
レイテンシーアービトラージの流れ
1.同一コインで価格差が開くのを待つ
2.各々の口座に日本円とコインを準備
3.同数コインの購入と売却を同時にトレード
4.コインを送金して1に戻る(または価格差が逆転するのを待つ)
step
1同一コインで価格差が開くのを待つ
上記のように取引所間のコイン価格には違いがあります。
Aで買った瞬間にBで売れば50円儲かりますね。
この価格差は常に変動しているので、より大きく利益がでるタイミングを見つけます。

たしかに50円ですが、利益の金額ではなく利率で判断しましょう!
価格差は利率で判断しよう!
価格差の判断は利率(%)で判断すると良いです。というのも、軍資金が人によって違うからです。0.5%の価格差の場合、1万円分の売買をした場合の利益は50円ですが、100万円分の売買なら5,000円となります。(※実際には売買手数料等あり)たとえば0.25%の差でも1日1回のトレードで月に7.5%の利益です。仮に元本100万円を7.5%で複利運用した場合、年利は138.2%となります。
この利率はあなた自身が判断すれば良いですが、私は0.25%以上ならトレード対象にします。
増えた資金でさらに大きく運用できるので、複利運用も可能。
単利と複利の違い(価格差0.25%で1日1回トレード)
経過期間 | 単利 | 複利 |
1ヶ月 | 7.5% | 7.5% |
半年 | 45.% | 54.3% |
1年 | 90% | 138.2% |
複利とは儲けた利益もトレード元本として用いることです。
1日1回だけでなく複数回トレードをすればさらに利益は膨らみます。
step
2各々の口座に日本円とコインを準備
取引するために各口座に日本円とコインを入金します。コイン購入額が安い口座には日本円を即時入金、コイン売却額が高い口座にコインを送金します。
今回は例として・・
A取引所:日本円を1万円
B取引所:コインを1枚(1万円分)
を入金しました。
step
3同数コイン購入と売却を同時にトレード
再度、コインの価格差を確認します。価格差はしばらく同じ傾向が続くので、タイミングを見計らって双方の口座でビットコインの買いと売りの同時注文します。
AとBで同時に買いと売りの注文をして・・
A取引所:1万円で1枚のコイン
B取引所:1枚のコインを売って1万50円
を入手しました。
コインの保有コストは除きますが、1万円を使って50円の利益を得ることができました。この段階で0.5%の利益です。

step
4コインを送金して1に戻る(または価格差が逆転するのを待つ)
先ほどのAが安くてB取引所が高いという傾向は、価格は変動するものの数分〜数時間ほど続くケースが多いです。
再度トレードできるように送金します
A取引所:手に入れたコインをB取引所にコイン送金
B取引所:入手した日本円を即時出金→銀行→A取引所に即時入金
これでステップ1と同じ状態に戻しました。
再度、コインのトレードを繰り返すことができます。
〜または逆転するのを待つパターン〜
また送金や出金をしなくとも、時間はかかりますが形成が逆転するのを待つこともできます。
先ほどはA取引所が安くてB取引所が高いという状況でした。しばらく放っておき、今度はA取引所が高く、B取引所が安い状況になるのを待ちます。
そこでA取引所のコインを売り、B取引所で再度コインを購入して利益を得ます。
問題はこんな価格差になるかどうかですよね!
→次章「コインの価格差を把握」でご案内しますが、実際にはもっと価格差が開きます。
仮想通貨のレイテンシーアービトラージのやり方(準備編)
実際に少額で取引する実践編に移る前にやっておくべき準備をお伝えします。
準備は知識や環境として、以下の3点が必要です。
やっておくべき3つの準備
1.コインの価格差を把握
2.必要口座を開設
3.コインの入手
この3つを順番に解説します。
準備1.コインの価格差を把握
実際に取引をする前にコインの価格差がどれぐらい生じるのか知っておく必要があります。
“注意ポイント”
謎の表記!?「四角形に矢印」マークだけがある場合
上のスクショ LTC・BCH・BTCのように片方の取引所しか表示されない場合です。
憶測ですが、データに信憑性がないため掲載除外されているものです。
(そのため、
信憑性がないというのは、
ページを少し下にスクロールすると、「coin choice rate」という表があります。
その表で該当の仮想通貨をクリックすれば、掲載除外されている取引所の正体が分かります。
データに信憑性がない状態か調べてみて下さい。
上のスクショでは、MONAコインで12.07%もの価格差が確認できます。

コインの価格差をリアルタイムで把握するのに便利なサイトは以下の2つ。
この2つは必ずブックマークして下さい。
この2つのサイトは監視している取引所とコインの種類が異なるので、両方合わせて価格差を把握します。
CoinChoiceの「仮想通貨別アービトラージランキング」
仮想通貨の種類 |
BTC・BCH・ETH・XRP・ETC・MONA・LTC |
取引所 |
CoinCheck・bitbank・GMOコイン・ビットフライヤー・Zaif・BTCBOX・BitPoint・BINANCE・HuobiJapan・OKcoinJapan |
→各コインのリアルタイムでの価格差が割合で表記。みんかぶとは違うコインや取引所が見れます。
みんかぶの取引所ごとのレート
仮想通貨の種類 |
BTC・ETH・BNB・XRP・ADA・NEM |
取引所 |
CoinCheck・ビットフライヤー・BTCBOX・bitbank・GMOコイン・HuobiJapan・BINANCE・OKEx |
→CoinChoiceとは違うコインや取引所が見れます。見たいコイン名をクリックすると価格差が表示される画面に進みます。
実際に今すぐ2つのサイトから現在の価格差を確認してみて下さい。仮想通貨のレイテンシーアービトラージが可能かどうか判断できるはずです。
準備2.必要口座を開設
レイテンシーアービトラージを円滑に行うには、「CoinChoice」と「みんかぶ」にある仮想通貨業社は最低限使える状態にしておく必要があります。
各取引所の口座開設は10分程度です。
取引所 | CoinChoice | みんかぶ | 公式ページ |
![]() |
○ | ○ | |
![]() |
○ | ○ | |
![]() |
○ | ○ | |
![]() |
○ | ○ | |
![]() |
○ | ○ | |
![]() |
○ | ○ | |
![]() |
○ | ○ | |
![]() |
○ | ー | |
![]() |
○ | ー | |
![]() |
○ | ー | |
![]() |
ー | ○ |
これらの取引所でいつでもトレードできるように準備しておいて下さい。
準備3.コインの入手
実際のトレードに使うコインを購入します。なるべく価格の安い取引所で購入して、後でコイン送金すればOKです。
実際のトレードに使うコインは何にする?
トレード向けのコインは?
- 頻繁に価格差上位にランクイン
- 送金が早い
- 送金手数料が安い
- 取引量が多い
この条件が揃うコインが良いです。取引量が多くないとトレードの大きさを上げることができません。
各コインの「送金時間」「送金手数料」
コイン | 送金時間 | 送金手数料 |
BTC | 10〜40分 | 0.0004BTC(約1,000円) |
ETH | 5分 | 0.005ETH(約1,000円) |
ETC | 6日 | 0.005ETC(約20円) |
BCH | 10〜150分 | 0.0002BCH(約3円) |
XRP | 10秒〜3分 | 0円 |
MONA | 3分 | 0円 |
LTC | 30分 | 0.001LTC(約7円) |
NEM | 1分 | 約18円 |
ADA | 10分 | 約45円 |
BTCやETHは送金の量に関わらず1,000円ほど手数料がかかるので、取引額が高くなったら選択肢となりえます。XRPやMONAは送金手数料が安く、着金時間も早いのでトレードの回転が早いです。
さらに「XRP」「MONA」は価格差が大きいことが多いです。たまに3%以上や10%超という状況も出現します。
コイン自体は売買はせずに送金して使い回すので、良さそうなコインを準備しておきましょう!
仮想通貨のレイテンシーアービトラージのやり方(実践編)
ここからはさらに深掘りしてレイテンシーアービトラージのやり方を解説します。
レイテンシーアービトラージの実践の流れ
1.価格差を確認
2.各口座に資金を準備
3.同数コインの購入と売却を同時トレード
4.利益確認後にコイン送金して1に戻る(または価格差が逆転するのを待つ)
→ 準備編と似ていますが、より具体的なポイントを挟んで解説します。
“注意ポイント”
同時トレードではなく送金したらどう?
手順3のところを・・
①安いほうのA取引所でコインを購入
②そのコインを高いほうのB取引所に送金
③B取引所で売却
という流れでは、うまく行かないのか?
→うまく行くこともあるけど、失敗する可能性が残ります。というのも、かなり僅かな価格差を狙っているので、送金中にレートが不利な方向に動く可能性あるからです。実際に数秒でレートが大きく動くことも多々あります。
うまく行くこともあるけど、失敗する可能性が残ります。というのも、かなり僅かな価格差を狙っているので、送金中にレートが不利な方向に動く可能性があるからです。実際に数秒のレートの動きで失敗した経験があります。僅かな価格差を狙っているのに、大きく反対に値動きをされると損失が膨らみますのでオススメしません。
step
1価格差を確認
まずはCoinChoiceで良さそうな価格差を探します。
私の場合は0.25%以上を視野に入れますが、稀に10%以上価格差が開くチャンスもあります。
今回は調査した時にXRPの価格差が0.25%だったので、レイテンシーアービトラージの最低ラインである0.25%の利率を狙ってみます。
GMOコインの価格が安くてビットバンクの価格が高くなっていたので、トレードの予定は以下の通り・・
GMOコイン:300XRPを購入
ビットバンク:300XRPを売却
→ これで1XRP(約60円)あたり0.15円(0.25%)の価格差を狙います。
一見小さな利益ですが、負ける確率がなくて0.25%の利益です。
負け無しなのでトレードを繰り返すほど利益は上がるので、まずは練習しましょう!
step
2各々の口座に日本円とコインを準備
各口座に日本円の即時入金とコイン送金で準備をします。
本記事執筆時はGMOコインの価格が安く、ビットバンクの価格が高くなっていたので・・
日本円の入金
→ GMOコインに2万円を入金しました。
即時入金対応銀行
楽天銀行 / 住信SBIネット銀行 / PayPay銀行 / ゆうちょ銀行 / 三菱UFJ銀行 / 三井住友銀行 / みずほ銀行 / りそな銀行 / 埼玉りそな銀行 / GMOあおぞらネット銀行
→ これらの銀行から即時入金ができます。
次はビットバンクに300XRPを準備します。
“注意ポイント”
1番最初は最も安い取引所でコインを入手!
1番最初は安い取引所でコインを購入して取引したい業者に送金します。
本記事では例として300XRPを購入しましたが、実際にはあなたが狙ったコインを適量入手して下さい。
コインの送金
→ 別の取引所からビットバンクに300XRPを送金しました。
XRPは早ければ5分以内に着金します。
ステップ2では・・
GMOコイン:2万円を即時入金
ビットバンク:300XRPを入金
→ これで300XRPを売買する準備ができました。
次はいよいよ各口座でXRPのトレードです。
step
3同数のコインの購入と売却を同時トレード
※ビットバンクのXRPトレード画面
手数料が高いビットバンクでは『指値注文』を使い、手数料が安いGMOコインでは『成行注文』を使います。
操作順
『指値』→『売り』→売り板の先頭の数字で『指値価格』を入力→数量『300』→『注文』
成行と指値の特徴
成行注文 | 指値注文 |
テイカー | メイカー |
板の価格で即約定 | 板に価格を乗せて取引されるのを待つ |
手数料が高い | 手数料が安い(又は貰える) |
テイカーとメイカーとは?
仮想通貨の売買は取引手数料が発生することがほとんどです。その取引手数料はメイカーとテイカーで違います。テイカーは成行注文でコインを売買する人で、0.05~0.1%程度の手数料を支払います。逆にメイカーは指値注文により「板」にプライスを乗せる側で、手数料がほぼ0%か-0.02%などわずかにもらえる業者もあります。
メイカーだと手数料が安いので、両方とも指値注文をしたくなるかもしれません・・しかし、現実はそうもいきません!
“注意ポイント”
両方とも指値注文(メイカー)で手数料を削減したいところですが、片方だけ約定した後、残った方が約定せず反対方向へ価格が動いたらますます約定しません。それどころか損失が膨らむことになります。
ここは安全に・・
手数料の高い口座で指値注文→約定→手数料の安い口座で即座に成行注文
の手順をオススメします。
今回の場合・・
① 手数料が高いビットバンクで指値注文
↓
② ビットバンクで約定
↓
③ GMOコインの成行注文ボタンをすぐに押す
同時注文が約定したら、資産状況を確認しましょう。
以下のスクショが今回のトレード結果です。
GMOコイン:300XRPを19,742円で購入
ビットバンク:300XRPを19,788円で売却
→約20,000円を使って46円(0.23%)の利益でした。
繰り返しますが少額ならこんなもんです。
とはいえ、全くリスクのない負け無しトレードで0.23%です。
200万円分のトレードなら勝率100%で4,600円の利益です。
しかも、何回もトレードを繰り返すことができます。
step
4コインを送金して1に戻る(または逆転するのを待つ)
再度、レイテンシーアービトラージができるようにコインを送金します。
今回の場合はGMOコインでXRPを手に入れたので、GMOコインからビットバンクへXRPを送金すれば良いです。
各口座の出金反映時間と取引手数料
取引所 | 出金反映時間 | 取引手数料 | 公式ページ |
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翌営業日 | 無料 | |
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翌営業日 | メイカー -0.01%
テイカー 0.05% |
|
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翌営業日 | メイカー 0〜0.2%
テイカー 0〜0.2% |
|
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翌営業日 | 0.01〜0.15% | |
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翌営業日 | メイカー 0.10%
テイカー 0.10% (BTCは両方とも0.05%) |
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翌営業日 | ○ | |
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翌営業日 | メイカー -0.02%
テイカー 0.12% |
|
![]() |
翌営業日 | メイカー 0%
テイカー 0.10% |
|
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翌営業日 | 無料 | |
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翌営業日 | メイカー 〜0.07%
テイカー 〜0.14% |
|
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翌営業日 | メイカー 〜0.10%
テイカー 〜0.15% |
送金により次のアービトラージの準備ができたら、トレードを繰り返します。
以上が仮想通貨のレイテンシーアービトラージの実際の流れです。
慣れてきたら金額を上げてトレードしてみましょう!
レイテンシーアービトラージのやり方:まとめ
要点を列挙しておきます。
記事のポイント
- CoinChoiceとみんかぶを見る
- 利率とトレードするコインを把握(0.25%以上の価格差を狙う)
- コインを買う取引所へ日本円を入金
- コインを売る取引所へコインを送金
- 手数料が高い方の口座では指値注文(メイカー)
- 手数料が安い方の口座で即成行注文(テイカー)
- 再度、取引ができるようにコインを送金
→操作に慣れてくると、ほぼ勝率100%で利益を繰り返すことができます。
価格差は0.25%以上を狙えばOKですが、10%以上が出現することもあります!
まずは少額でレイテンシーアービトラージを試してみて、感触を掴んだところでトレード額を上げていきましょう!
仮想通貨のレイテンシーアービトラージは負けることがない手法なので、数ヶ月後には資産に大きな違いが出るはずです。
また、レイテンシーアービトラージによって取引所間の価格差が狭くなるので、流動性の提供に必要な存在と言えます。
というわけで今回は以上です。