FXの両建ては禁止なのか知りたいですか?実は国内FXと海外FXではシステムやペナルティーに違いがあり禁止の内容も異なります。両建てOKの業者・禁止の業者・ペナルティーを把握できていないという方はぜひご覧下さい。
両建ては禁止なの?
バレたらどうなる?
注意点は何?
このような両建てに関する不安を解決します。
結論、禁止されているのは「海外FXの違う口座で両建て」する場合です。その理由や注意点、両建ての有効利用法などをご覧いただきます。
以下の口座では、両建てを優遇するシステムを採用しているぐらいです。
両建てMAXを採用している国内FX業者
本記事の内容は以下の通り。
【両建てとは?】どんな時に使うの?
「両建て」とは同じ通貨ペアの買いと売りのポジションを持つことです。
通常の目的としては「取引中の相場変動リスクを一時的に回避するため」に使われます。
同数の買いと売りポジション = 為替差損益を相殺
例えば、以下のようなケースで相殺させます。
例:経済指標前に両建て
現在、買いポジションを持っていて、これから重要な経済指標が発表されるとします。上がるか下がるか分からないので、売りのポジションを加えることで利益と損失を固定する状態を作ります。経済指標発表後、相場の過熱感が落ち着いてきたら、指標内容に合ったポジションのみを残します。
→ 経済指標がどうなるのかは誰にも分かりません。米国の雇用統計の直後など、動きが激しい相場には参加しないというのも選択肢の1つ。
他にも両建ての使い道は、為替差損失を無くしてスワップだけを得る「スワップアービトラージ(サヤ取り)」があります。
→年利5%~25%で不労所得
「スワップアービトラージ(サヤ取り)」に関する詳細は別記事をご覧ください。
国内のFX業者では両建てを禁止している所はありませんが、海外のFX業者では両建てを禁止している所がほとんどです。
【海外FX】両建ては禁止されているのか?
海外のFX業者では2つ以上の違う口座を使った両建てを禁止しています。
理由は「入金ボーナス」や「ゼロカットシステム」といった海外FX特有のサービスを悪用する両建てがあるからです。
同じ口座での両建であれば、国内FXでも海外FXでも禁止していません。
同じ口座とか違う口座ってどういうこと?
両建てはどの口座間で行うかで3種類に大別されます。
3種類の両建て
- 同一口座で両建て →OK
- 同一業者の違う口座で両建て →禁止
- 異なる業者の口座で両建て →禁止
海外のFX業者でも「同一口座で両建て」をする場合は、禁止されることはないです。
禁止されるているのは海外FXの「同一業者の違う口座で両建て」と「異なる業者の口座で両建て」です。
ゼロカットシステムは、実際に入金した金額以上の損失が出ない仕組みです。追証が不要という有難いシステムですが、これを悪用する両建てがあります。
ゼロカットシステム = 追証不要
例)海外FXのゼロカットシステムを悪用する両建て
業者Aでは買いポジションを持ち、業者Bでは売りポジションを持ったとします。このあと為替レートがどんなに下落しても、業者Aの損失額は入金額までです。一方、業者Bの売りポジションではレートが下落した分の利益が出ます。通常、業者Aで入金額の損失がでた時点でロスカットになりますが、土日などを挟む週明けでは、直前の終値よりレートが大きく開いてスタートすることがあります。要するに窓開け狙いですね!週明けのレートが大きく下がったら、業者Aでの損失は入金分のみ、業者Bの利益はレート変動分あります。
→ このような仕組みで、ゼロカットを悪用すると必ず儲かってしまうというわけです。
また、別の両建て悪用法で入金ボーナスだけをもらおうとする両建てを「ボーナスアービトラージ」と言います。(詳細はコチラ)
海外FXでは「入金ボーナス」や「ゼロカットシステム」を利用した両建てでなくても、その可能性が出てしまう「同一業者の違う口座で両建て」と「異なる業者の口座で両建て」を禁止しています。
海外のFX業者の違う口座間で両建てが発覚した場合、口座凍結などの処置が行われるケースがあるので絶対に行わないでください。
ちなみに日本のFX業者では「入金ボーナス」や「ゼロカットシステム」はありません。
ゆえに国内のFX業者では両建てを禁止していないのでご安心ください。
【海外FX】禁止の両建てはバレないのか?
海外のFX業者で両建てする方法のうち、「同一業者の違う口座で両建て」はバレてしまいそうですが、「異なる業者の口座で両建て」ならバレないような気がしますよね?
異なる業者で両建てしてもバレます!
海外FXでは、どの業者もMT4やMT5といった同じシステムを使っています。すべての業者はMT4などのプラットフォームの履歴をチェックすることができるので、怪しいトレードは簡単に確認されてしまいます。
じゃあ、第三者を使い他ユーザー間で「異なる業者の口座で両建て」ならバレないのでは!?
結論、バレると思った方がいいです。
両建ては同じ通貨、同じ数量、同じタイミングでトレードすることが多いのでバレる可能性が高いです。
3人以上のユーザーとかなると分かりませんが、両建てのペナルティーはキツイのでやめた方がいいです。
両建てがバレた時のペナルティー
- 利益取消し
- 出金拒否
- 口座凍結
→ 悪質だと判断された場合、口座凍結なんて可能性もあります。
海外FXでは違う口座で両建てを使った取引きはやめましょう!
【国内FX】両建ては禁止されているのか?
日本国内のFX業者では両建ては禁止されていないのか?気になるところですよね。
実は国内のFX業者では「両建てMAX方式」というシステムを採用する口座があります。
両建てMAX方式とは?
『両建てMAX方式』
別名:証拠金MAX方式
同一口座で両建てをした場合、買いと売りのうち証拠金が高い方だけでポジションを持つことができるシステム。
同数のポジションなら片方分で済むので、実際の1/2の証拠金で良い。
→要するに、国内業者でも同一口座の両建てを認めているということです。
両建てMAXを採用している国内FX業者
- GMOクリック証券
- みんなのFX
- LIGHT FX
- 外為オンライン
- 松井証券 MATSUI FX
- SBI FXトレード
- マネックスFX
→割と著名な国内のFX業者が採用しているので、両建てしてもOKだと安心できますね。
両建ては可能ですか? (GMOクリック証券)
可能です。なお、両建取引はスワップポイントにより逆ザヤが生じること、また反対売買時にスプレッドによるコストをお客様が二重に負担すること、または決済の仕方によっては取引コストが二重にかかる場合があることにより経済合理性を欠く取引です。
当社では推奨しておりませんので、お客様ご自身の判断で、お取引してください。
両建ては可能ですか? (みんなのFX)
「みんなのFX」では両建て取引が可能となっていますが、経済合理性を欠くおそれがある取引であるため推奨はしていません。
引用:みんなのFX
異なる業者間での両建てを禁止する引用はないので、問題ないと判断できます。
【注意点】両建てのデメリットを把握しておく!
両建てに関する注意点がいくつかあるので把握しておきましょう。
両建ての注意点
- スプレッドによるリスクが高まる
- 合計スワップがマイナスになる
- 違う口座での両建ては放置できない
- 基本的には必要証拠金が2倍になる
これら4つの両建ての注意点について、順番に解説していきます。
1.スプレッドによるリスクが高まる
FXでは取引手数料は存在しない代わりに、スプレッドによって業者は利益を得ています。
→ この場合、130.761円で買った瞬間に130.737円でしか売れません。
買いと売りの価格差 = 0.024円
1lotは1万通貨なので240円のスプレッド損失があります。10lotなら2,400円の損失。
両建てはスプレッド損失が買いと売りの両方で発生します。
このスプレッドは経済指標発表などボラティリティ(値動き)が激しい時には、さらに大きく広がる時があります。スプレッドが広がった時に証拠金が少ない場合、最悪はロスカットになる可能性もあります。
両建てとはいえ、完全に損益を相殺できないので注意!
2.合計スワップがマイナスになる
両建てをすると日々のスワップも、買いポジションと売りポジションの両方にかかってきます。
基本的に同じ口座の場合、買いのプラススワップより売りのマイナススワップの方が大きいことがほとんどです。
買いスワップ+10円 + 売りスワップ-24円 = -14円
1日に14円分のスワップポイントがマイナスになります。長期的に放置しているとロスカットに達成する可能性もあるので気をつけましょう!
とはいえ、スワップポイントが一本値のFX業者なら問題はないです。
例)スワップが一本値の場合
スワップポイントが一本値のFX業者
買いスワップと売りスワップが同じ業者は問題なし。
3.違う口座での両建ては放置できない
同一口座ではなく違う口座で両建てした時は、長期間放置するとロスカットになるリスクが高まります。
レートが上がり続けるか下がり続けると、片方は利益が膨らむけど、もう片方は損失が膨らむからです。
例:米ドル円が140円から130円に下落
10lotを両建てなら・・
- 買いポジション:-100万円
- 売りポジション:+100万円
買いポジションでは100万円分の維持率が低下
↓
証拠金が少ない場合はロスカット
→ 損失が大きく膨らむ前に、プラス側の口座から資金を移動すればこの問題は解消できます。
資金移動の難点
出金して入金するのは面倒な上に、数営業日かかってしまうので注意が必要です。
4.必要証拠金が2倍になる
同一口座で両建てをする場合、必要証拠金の計算は2パターンあります。
両建ての必要証拠金の量
- 買いと売りの両方
- どちらか高い方だけ
→ 両方で必要な場合は、その分口座の証拠金維持率が下がるのでリスクが増えます。
後者は「両建てMAX方式」とも呼ばれ、高い方だけの証拠金で済むのでリスクが増えずに済みます。
【オススメ業者】両建てしやすい国内のFX業者
両建てにオススメの国内FX業者は、「両建てMAX方式」を採用しているか「スワップが一本値」だと使い勝手がいいです。
両建てMAXのFX業社等
【Q&A】両建てに関するよくある質問
Q 両建てとは何ですか? |
A 同一銘柄で買いと売りのポジションを持つ方法です。上がっても下がっても損益は相殺されるので、一時的に相場を休みたい時に使います。 |
Q 両建てで損はしませんか? |
A あまりに証拠金がギリギリの状態だと、スプレッドが広がった時や日々のマイナススワップでロスカットになる可能性があります。(基本的に売りスワップの方が大きいため合計はマイナスとなる)また、両方のポジションで手数料代わりのスプレッドを支払う必要があるのでむやみには使えません。 |
Q 両建ては禁止じゃないんですか? |
A 海外FXでは異なる口座間の両建ては禁止です。同一口座ならOKな業者が多いです。国内FXは両建てを禁止していません。規約は変更されることもあるので、各業者の規約を確認して下さい。 |
Q 両建てMAXって何ですか? |
A 買いか売りのポジションの内、建玉数の多い方の必要証拠金だけで済むシステムです。 |
Q 両建ての設定とは? |
A みんなのFXなど両建てをするために設定が必要な業者があります。設定をしなければ両建てをしようとした枚数分の決済になるので注意しましょう! |
Q 両建ては必勝法ですか? |
A 両建てといっても様々な狙いを持った方法があります。例えば、スワップアービトラージは必勝法ではないけど、コツとして十分に活用できる方法です。 |
【まとめ】両建ての禁止事項と注意点を深掘りします(国内と海外で違う)
ここまででFXの両建ては禁止なのか?また注意点は何か?国内と海外のFX業者の違いについてご紹介させていただきました。
本記事の要点を一言ずつでまとめていきます。
両建てとは?
→ 同一銘柄で買いと売りのポジションを持つこと
両建ての主な目的
→ 為替差益を相殺させて相場を休憩する
海外では禁止されている両建てがある
→ 海外FXでは「ゼロカットシステム」や「入金ボーナス」が悪用されるため、異なる口座間での両建ては禁止
口座の違いによる禁止の違い
両建ての種類 | 国内のFX業者 | 海外のFX業者 |
同じ口座 | OK | OK |
同一業者の違う口座 | OK | 禁止 |
異なる業者の口座 | OK | 禁止 |
※詳細は各業者の規約をご確認ください。
バレた時のペナルティー
→ 「利益取消し」「出金拒否」「口座凍結」など…利益だけでなく元本も凍結される可能性もあり
国内のFX業者には「両建てMAX方式」がある
→ どちらか多い方のポジションの証拠金のみでOK
両建てすると合計のスワップはほぼマイナス
→ スワップが買いも売りも同じ一本値なら問題なし!
両建てMAXのFX業者等
両建てはうまく使えば一時的に相場を休ませるなどトレードの幅が広がります。
両建てはスワップ生活のコツである「スワップアービトラージ(サヤ取り)」にも使います。
禁止の業者と注意点を把握すれば、両建てを視野に入れることができます。
というわけで今回は以上です。